
執念深く傍聴を続けている総務省、デジタルコンテンツの流通の促進等に関する検討委員会の 第61回が 1/23(月) に開催されたので、手抜きモードでですが、傍聴レポートを置いておきます。まだ総務省のサイトに当日配布の資料があがっていないので、当サイトにスキャン版 [URI] を上げておきます。必要に応じて参照してください。
今回は、本年 7 月に情報通信審議会(親会)に出す報告書に向けての検討の方針 [URI] を示し、また、これまで総務省が取り組んできたテレビ放送番組の流通促進策 [URI] を披露した後、野村総研 (NRI) からのクラウドサービスの状況報告 [URI] と、放送事業者によるネット配信への取組の状況報告が NHK [URI | URI] および TBS [URI] から行われるという流れでした。
当日 twitter でも残したこと [URI] ですが、次の 2 点は重要と考えたので、改めて記述しておきます。
特に重要なのは下の方と考えます。こちらのユーザ意識調査はインターネットを利用したアンケートで行われるらしいので思うところのある方はアンテナを上げておくようにしましょう。
以上の発表の後、少しだけ質疑・意見交換が行われましたが、その内容は概ね次のようなものでした。
- 華頂委員 (日本映画連盟):
- 資料 1 の 2 ページに下線を引いて「クリエイターへの対価の還元についての議論」とあるが、検討スケジュール案を見ると、それについての記載がない
- これについて、どのような取り扱いがされていくのか教えていただきたい
- (事務局:私的補償金の制度以外で検討することになっている。権利処理の円滑化・不正流通の削減・新しいプラットフォームの準備、そうしたものを通じてコンテンツ利用の範囲を拡大し、クリエイターへの対価還元を検討という流れと理解している。今後もクラウドサービスの登場を見て、どのようなやり方があるのか皆様から提案いただいて議論していきたい)
- 今後行われる会合全てに関わってくる問題、そういう取り扱いでよいか
- (事務局:もちろんそういうこと。色々な課題を検討する中で、クリエイターへの対価の還元を念頭に置い議論を進める予定)
- 椎名委員 (CPRA):
- コンテンツ流通振興策によって結果的に対価の還元サイクルを太くしていくという話があった
- 一方で、今日のレポートでコンテンツの価値が下落していく、利用は拡大するけれど、価値が下落していく、番組制作の予算が下がってきているという状況がある
- そうした中で、コンテンツを取り回す利便性が向上すればするほどそうしたビジネスへの影響が与えられてくるという構造はパッケージから配信にシフトしたとしても変わらない
- 個人の利便性ということで整理すると、ダビング10という著作権保護ルールを検討する上で、対価の還元が俎上に上り、関係者の協議を期待してスタートしたダイビング10だが、一向にそうした協議が進んでない
- 補償金制度以外と書いてあるが、補償金制度に変わる何らかの対価の還元のソリューションを考えていかなければいけないのではないかと受け取っている
- 今、まさに裁判が行われており、ダビング10の対応機器でデジタル放送のチューナしか持たないものは補償金の対象であるのかないのかという極めて限定的な議論がされている
- その裁判の影響で、補償金制度をどうするのかという議論が全く進まない状況にある一方で、権利者への対価の還元が細くなっている
- こうしたことは、国のコンテンツ保護の基本に座る仕組みやルールという問題として、行政の場で議論が進められるべき問題だと思う
- この問題をそうした観点から今後検討していっていただきたいと強く思ってる
- 長田委員 (東京都地域婦人連盟):
- 総務省に質問、資料 2 のコンテンツの不正利用で、動画投稿サイトを利用したことのある人が 62.2% で、かつ P2P の利用実態も 2 割ということだが、調査対象はどのような方々なのか
- 非常に高い数字かなと感じた
- 今後、ユーザの意識調査をすることになっているが、調査方法によって数字が変わってくるのではないか
- (事務局:調査方法は、総務省で実施したネット調査で PC 利用者、今後実施する総務省の調査も、予算・スケジュールの都合で PC・ネットユーザでの調査を検討している)
- だとすると、PC ユーザを対象にした調査だけで「日本国民に換算すると」という表現は違うのではないか
- 村井主査 (慶応大学教授):
- 動画投稿サイトを利用したユーザ割合が 60% を超えるデータがあるところに、タイトルが「コンテンツの不正流通」となっているということも、実態とのアレがあっているのかと思う
- 最近のテレビは動画投稿サイトに接続する機能があり、それが不正だというところは課題があって、それは華頂さん・椎名さんに指摘された権利との関係というのが、今日説明いただいた新しいモデルの中で、どのように考えられるべきか議論することが必要
- 現状のこういった新しいサービス、今日はクラウドについて説明してもらったが、どういった課題を持っているのかということも理解して議論していく必要があると思う
- 畑委員 (日本レコード協会):
- 総務省に一点質問。資料 2 の「放送コンテンツの権利処理一元化の推進」というところで映像コンテンツ権利処理機構というところをコアにして、全ての権利処理に関わる実証実験を行って検討していくという趣旨と理解してよいか
- (事務局:これは現在三年計画の二年目で実験中。権利処理の窓口が分散していたのを一元化し、ネット上で手続きを行うことを可能にしたもの。今年は利用料の支払いもシステムに載せる予定。おっしゃる通り、この権利処理機構が中心となって議論を進めてもらう予定)
- 河村委員 (主婦連合会):
- 今日のところは思うところをあまり言わないようにしておこうかと思ったが、権利者さんから発言もあったので、利用者の立場からも
- TBS の動画コンテンツ配信への取組を報告いただいて、色々な努力をされて売り上げ推移も伸びている
- 私は元々、こうした配信の売り上げと、ダビング10の問題は無関係と思っていた
- コンテンツが網羅的に、使いやすいサービスでリーズナブルな値段であれば、網羅的に個人レベルで撮っておくということは、よほど個人で思い入れのある何か以外は録画しなくなるだろうと思っている
- TBS の方が仰ったように、不正流通云々という前に、きちんと権利処理された正規のものを沢山、バラエティを持って用意するということが不正なものを駆逐していく道と思う
- しかも不正流通に関してはアップロード側を取り締まれば十分なのだから、日本中の録画機を持たない方のテレビも含めてダビング10という仕組みが支配し、その為にカードやカードに換わる方法、さらに新しい社団法人ができる
- 録画を11枚以上させないということの為になぜこれほどの馬鹿げた方策をかけるのか、そうしたことに予算・エネルギーをかけるのではなく、権利処理されたコンテンツを沢山流せば、人の手足を縛らなくても、こんな面倒なことはしなくなるだろう
- 録画の必要がなくなるほどに、多様なコンテンツを用意して多用なニーズに応えるという仕組みが使いやすくできることを目指して欲しい
- 権利者の方が言うように、便利になればなるほど権利者の利益が薄くなるという方向では、便利にならない世界を想定しなければならず、非常に不幸なことに思う
- 私が今いったような方向での検討を、是非、お願いしたい
質疑・意見交換は以上のような形で、今回のところは事務局の出方を伺うためにジャブを投げ合っているような感じでした。次回、第62回からが本番になるのかなということで、総務省サイトに開催案内が出たら忘れずに傍聴申請しようと考えています。(ここのところデジコン委の開催案内公開が傍聴申請締め切りの 60 時間前になってるので見逃さないように気をつけつつ)
[過去の戯言]