総務省 情報通信審議会
デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会
第64回 (2012年5月1日) [非公式議事録]


ここは、一傍聴者が傍聴の際に残していたメモ・記憶等を元にまとめた非公式議事録を掲載したページです。正式な議事録は1〜2ヶ月後に総務省サイト [URI] に掲載されるはずですので、そちらを参照してください。

政府主催の公開会議においての発言が無編集で伝わると困ると主張される方からの直接の連絡があれば、その旨記載の上で本ページの内容を削除します。その際連絡は kazhiro@marumo.ne.jp までお願いします。

当日配布された資料は以下の通りです。


村井 純 主査(大学教授 / 情報通信 / 慶応大学):#

はい。それでは定刻になりましたので、ただいまから情報通信審議会、デジタルコンテンツの流通の促進等に関する検討委員会の 第64回 の会合を開催させていただきたいと思います。委員の皆様にはお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。

本日欠席された委員、それから出席しているオブザーバの方、いつものように席上に配布された資料に表されておりますので、ご参照いただきたいと思いますけれども、よろしくおねがいいたします。

本日は、平成 18 年 9 月の本委員会設置以降、長期間に渡って議論を続けていただいた二つの諮問事項がございますので、この答申に向けた議論をしていただくということでお集まりいただきました。

一つ目の諮問は、地上デジタル放送の利活用のあり方と普及に向けて行政の果たすべき役割と、これは平成 16 年の諮問 8号ということでございまして、デジタルコンテンツ流通等の促進ということでございます。それから 2 番目はコンテンツ競争力強化の為の法制度のあり方ということで、こちらは平成 19 年の諮問 第12号ということでございます。

16年と19年ということで、いずれも長い間私どもで議論をしてきたということになりますけれども、それについての答申に向けた議論というのが今日の議題でございます。

答申に向けてのスケジュールでございますけれども、本委員会の親会にあたります、情報通信審議会 情報政策部会が 7 月 12 日にございまして、そこに報告することを予定しています。

従いまして、本委員会では政策部会での報告に向けて、本日を含めて残り 3 回程度の開催を予定しているということでございますので、皆さんご協力をお願いしたいと思います。

それでは、まず事務局から配布資料の説明をお願いいたします。

松本 和人 課長補佐(事務局 / 総務省 情報通信作品振興課):#

はい。本日の配布資料につきましては、座席表・議事次第の他に、資料 1、参考資料 1 の計 2 点を配布させていただいております。過不足等ございましたら、事務局までご一報ください。あわせまして、前回の 4 月 5 日の会合でございますが、その議事録につきましては委員の皆様にご確認いただきまして、村井主査のご承認を得て、総務省ホームページにて既に公開しておりますので、ご報告いたします。以上でございます。

村井 純 主査:#

はい。それでは議事に入りたいと思いますけれども、この答申骨子の(案)というものを事務局の方から作成していただいていますので、こちらの方のご説明をいただいてから、皆様の議論に入りたいと思います。それでは説明をよろしくお願いします。

竹村 晃一 課長:(事務局 / 総務省 情報通信作品振興課)#

はい。それではお手元の資料 1、当検討委員会での答申骨子案についてご説明をさせていただきます。これは今までの前回までの会議を踏まえまして当方で叩き台として用意させていただいたものでございます。

目次を御覧いただきまして、第1章と第2章に分かれております。第1章は、平成19年諮問12号関係の「コンテンツ競争力強化の為の法制度のあり方」に関する答申でございます。第2章は平成16年の方の、諮問 第8号関係、「デジタルコンテンツ流通の促進等」に関する答申というふうになってございます。

まず、第1章でございます。一枚めくっていただきまして、第一節としてこれまでの取組と現状の課題について簡単にまとめてございます。今のコンテンツ市場は 11兆円規模で推移してございます。映像コンテンツ市場の 7 割がテレビ番組ということです。

地上波放送局の収益が停滞する一方、CATV、衛星放送による有料放送の収益は増加したり、広告費もインターネットが伸びているという状況にございます。

(2) 動画サービスの多様化でございます。国内でインターネットの利用端末あるいはスマートフォン・タブレット端末等の端末の多様化が進展してございます。それから、VOD 市場が順調に伸びているということでございます。また、スマートテレビが登場して、今後急速な普及が想定されてございます。

さらに、3 ページに進んでいただいて、色々なクラウド型のコンテンツ配信サービスも登場しておりまして、これから伸びていくことが想定されてございます。

2 として放送コンテンツのネット配信の現状と課題でございます。(1) テレビ映像コンテンツのネット配信でございますが、NHK・民放キー局各社による VOD 配信の取組が本格化しており、今後ネット上での番組の円滑な利用と権利者の保護、利益の適正な配分を両立する新たなルールと運用が課題となってございます。

(2) ラジオの IP サイマル配信でございます。これも NHK・民放ラジオ局において、ネットによるラジオの IP サイマル送信が取り組まれておりまして、ラジオの難聴取の解消ですとか、新たな聴取者層の獲得等の効果を得ているところでございます。

次のページに進みまして、4 ページでございます。コンテンツ海外展開の現状と課題でございます。放送事業者におきまして、海外での番組権販売あるいはリメイク権、それからバラエティ番組のフォーマット権販売、外国放送局との共同出資等に取り組まれているところでございます。

ただまあ、海賊ビジネスの横行ですとか権利処理の問題、あるいは外国製コンテンツに対する規制の存在等の問題等がございます。

番組製作者におきましても、テレビフォーラムを開催し、ピッチングセッションを行いますですとか、人的ネットワークを構築に向けて努力をされているところでございまして、グローバルなコンテンツ製作力の強化に向けた政策的支援の強化が課題になってございます。

それから 5 ページ、4 番でございますが、権利処理の円滑化への取組の現状と課題でございます。2009 年 6 月に、一般社団法人 映像コンテンツ権利機構が設立されまして、放送番組二次利用にかかる許諾窓口の一元化、不明権利者の探索業務、有線放送報酬の徴収・分配等に取り組んでいるところでございます。

今後、ネット配信の本格化ですとか、海外番販への取組を背景に申請件数の増加ですとか放送直後の二次利用に対応するための迅速化・効率化が必要になっているということでございます。

5 番、コンテンツ不正流通対策の現状と課題でございます。

インターネット上での動画投稿サイトですとか、P2P ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害が後を絶たず、権利者が適正な対価を得られていない他、正規ビジネスの拡大を阻害しているということでございます。総務省でも関係者間で連絡会を開催し、実証実験に取り組んでいるところでございます。

また、次のページに行きまして、放送事業者においても動画投稿サイトを目視調査し、削除依頼の実施する等対策をとると共に、自社サイトおよび大手動画配信サイトを通じた正規コンテンツの配信にも取り組んでいるところでございます。

6 番、コンテンツ流通プラットフォームの現状と課題でございます。新しいネットワークを利用したコンテンツ配信サービスが出てきております。特に、クラウド型サービスということで、我が国においても近い将来こうしたサービスの普及が想定されているところでございます。

こういったサービスによりまして、ユーザの利便性が向上する期待が大きい一方、サービス提供主体がインターネットユーザを囲い込むことになれば、コンテンツの価格決定権や手数料水準の面でコンテンツの提供者側が不利になり、権利者への対価の還元が危うくなる恐れも生じてございます。

このため、ユーザからの期待に応えつつ、権利者への対価の還元を可能とする効率的な仕組みの検討が必要ということでございます。

(2)、7 ページの (2) スマートテレビに対する取組でございます。最初に申し上げたようにスマートテレビが登場しておりまして、HTML5 をベースとしたオープンプラットフォームによりまして、デバイスや OS に縛られない、コンテンツのワンソース・マルチユースや端末間の連携サービスの実現が期待されているところでございます。

W3C においては、2014 年の勧告化を目標にブラウザの標準化について検討されており、我が国においても官民の関係者が連携して、技術の開発・実装を急ぐことが必要となっております。

8 ページ、提言でございます。ここは重要なところですので読み上げさせていただきます。

今後の取組の方向性。利用者がリーズナブルな価格で容易にコンテンツを利用できる正規ビジネスを拡大すると共に、クリエーターに対して適正な対価が還元される仕組みを整備し、コンテンツの量・質両面での持続的な拡大再生産を図るべきではないか。

国内において少子高齢化が進む中でコンテンツの持続的な拡大再生産を図るため、他のビジネスとも連携して海外市場への展開を進めることが必要ではないか。

映像コンテンツ市場の 約7割 を占める放送コンテンツについて、ネット配信、海外展開等の二次利用を推進することが重要。このため、権利処理の迅速化と効率化に取り組むことが必要ではないか。

特定の OS やデバイス等を利用したユーザーの囲い込みを防ぎ、多様なアプリケーションやコンテンツの提供を促すため、スマートテレピ等のネットワークを利用したコンテンツ配信サービスに関するオープンな技術規格の策定・標準化等に取り組むことが必要ではないか。

これらについて、民主導で取り組むべき課題ではあるが、官が補完・側面支援することが必要ではないか。

これを踏まえまして、2 と 3 で早急に取り組むべき課題と継続的に取り組むべき課題を挙げてございます。

まず、早急に取り組むべき課題として、放送コンテンツのネット配信事業について、海外向けを含めて、今後概ね3年以内に本格的にテイクオフさせることを目標に、関係者が協力して権利処理の迅速化・効率化に取り組むべきではないか。

aRma における実演家の権利処理について、申請件数の増加や放送直後の配信等のニーズに対応するため、許諾申請の一元化のみならず、権利料の徴収分配を含めた権利処理工程全体の効率化に向けた取組を進めるべきではないか。

9 ページになります。また、aRma 扱いの実演家の増加、不明者探索の期間の短縮、放送事業者と aRma の出演者情報の共有化等の課題について検討を進めることが必要ではないか。

さらに、多大な労力・コストを要している音楽に関する権利処理手続の一元化や海外番販における原盤権処理等の課題の解決に向けて取り組むべきではないか。

海外展開に当たっての諸外国のコンテンツ規制及び海賊版対策については現地当局への働きかけをはじめ官が果たすべき役割が大。海賊版の根絶のため、官民が連携して正規コンテンツの提供の促進を軸とした取組を進めることが必要ではないか。

海外における日本のプレゼンスを高めるためには、戦略的かつ継続的な情報発信の取組が必要。関係省庁が一体となって海外におけるコンテンツを核とした複合的なピジネス展開や流通経路の確保等に対する支援を検討すべきではないか。

急速な普及が見込まれるスマートテレピの推進に向け、我が国としての基本戦略を早急に策定し、「スマートテレピの国際標準化に向けた基本機能の提案」「スマートテレビのアプリケーションの開発に資する実証試験の実施」「オリンピック等のイベントの機会を活用したデモンストレーションの実施、普及啓発、国際展開の促進」に取り組むことが必要ではないか。

その際、ユーザーのプライバシー、セキュリティを確保しつつ、オープンな技術を用いて参入障壁を下げ、多くのコンテンツ、アプリケーションの関連事業者の参入を促すことが重要ではないか。

3 中長期的に取り組むべき課題。今後、クラウド型サービスを含めネットワークを利用した新しいコンテンツ流通サービスが普及すれば、サーバーにおいてコンテンツの利用を一元的に管理することや、正確な権利処理に基づくコンテンツ流通の仕組みを構築することが可能になるのではないか。

また、インターネットによる様々な形態のコンテンツ配信が飛躍的に増大し、スマートテレピ等において放送サービスとも連携することになれば、現在の放送サービスはその姿を大きく変えていくことになるのではないか。

このように、今後コンテンツの利用・流通形態が急速に変化することが予想され、これらに適切に対応するため、放送事業者、通信・ネットサーピス事業者、メーカー、権利者、消費者、有識者等の関係者からなる「新たな検討の場」を設置して、コンテンツ保護に係るルールのあり方、権利処理の迅速化・効率化、クリエーターへの対価の還元を含むコンテンツの製作・流通促進の方策等について、議論していくことが必要ではないか。

続きまして、第2章でございます。デジタル放送におけるコンテンツ保護のあり方ということで、12 ページを御覧ください。第1節 これまでの経緯と現状についてまとめてございます。

まずデジタル放送におけるコピー制御のルールについて、第4次・第5次中間答申において提言がなされ、これを受けて 2008 年 7 月 4 日にダビング 10 の運用が開始されました。

当該答申においてはルールの暫定性に鑑みた適時の見直しが必要である旨を提言されておりまして、またクリエーターに対する対価の還元の具体策について補償金以外の側面からも今後も継続して検討を進めていくこととされておるところでございます。

「(2) 動画視聴に関する技術・サービスの多様化」ということで、動画視聴に関する技術・サービスが多様化し、利用者にとって選択肢が増大している状況でございます。

他方、動画投稿サイトですとか P2P ファイル共有ソフトを利用した違法な放送コンテンツの流通が後を絶たず、放送事業者等による正規流通の取組を阻害しているところでございます。

「(3) デジタル放送のコピー制御方式に関する利用者の意識調査」これは総務省において調査を実施した結果でございます。13 ページを御覧いただきまして、調査結果の概略としては、コピーワンスとダビング10については約半数の方が認知されており、1番組におけるコピー回数は 1〜3回 が 9 割以上、録画機器がダビング10対応であるかどうかを意識したことがないと応えた方が約 8 割ということでございます。

「2 コピー制御におけるコンテンツ保護のあり方」ということで第6次中間答申におきまして、エンフォースメントのあり方について、新たな方式の早期の導入に向けた基本的な考え方や具体的なプロセス等が提言されたところでございます。

これに基づきまして「(2) 新方式導入の進捗状況」でございますが、当審議会の意見を踏まえまして、関係者において新方式導入に向けた具体的な検討を行い、例えば ARIB の標準規格等の策定、ライセンス発行・管理機関の設立、さらには鍵管理システムの整備・抄出設備の改修等を進めてきたところでございます。

14 ページを御覧いただきまして、2012 年 7 月末の関東広域局での運用開始、2013 年 4 月の全国での運用開始を目標とするスケジュールに沿って、所用の準備に取り組んでいる状況でございます。

「(3) 制度的補完措置に関する進捗状況」でございます。技術的エンフォースメントを補完するものとして、制度の整備が進められておりまして、2011 年 10 月 1 日にはいわゆる「ACTA条約」の署名がなされており、本国会に提出されている状況でございます。

またアクセス・コントロールにかかる制度の見直しについて、著作権法・不正競争防止法・関税法の見直しというのがされているところでございます。

15 ページに行きまして 第2章にかかる提言でございます。

「1 コピー制御の方式について」、放送コンテンツの製作・流通の持続的な拡大再生産を実現するためには、一定のコピー制御のルールは必要。ダビング10 については、利用者の利便性を確保しつつコンテンツ保護のために必要なコピー制御を施すという点において、一定の意義は認められるのではないか。

ダビング10について一般の利用者が特段不都合を感じているということはなく、社会的にも定着してきていると言えるのではないか。

インターネットを通じた違法なコンテンツの流通が後を絶たないのは事実であるが、だからと言ってダビング10によるコンテンツ保護の効果を否定することはできないのではないか。

一方で、コピー制御方式のエンフォースのために無料放送にスクランブルをかけることで、録画機を持たない利用者も含めて社会的なコスト負担が発生している点は認識すべきでではないか。

さらに、各種の動画視聴サービスの普及、クラウド型サービスを含む新しいコンテンツ流通サービスの登場等に鑑みれば、放送の録画機器や記録メディアへの録画に着目したコピー制御の重要性は相対的に低下しているのではないか。

以上を踏まえれば、現行の放送コンテンツのコピー制御方式について直ちに見直しに着手する必要性は乏しいものの、エンフォースメントのあり方と合わせてその妥当性を検証していく必要はあるのではないか。

「2 クリエーターに対する対価の還元」、デジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、利用者の利便性が向上する一方、パッケージメディアのコンテンツの売上が減少する傾向にあることから、良質なコンテンツの持続的な再生産に向けて、クリエーターに適正な対価が還元されるよう、対策を検討することが必要ではないか。

その際、コピー制御の方式やコンテンツ保護の在り方に加え、コンテンツの流通の促進、製作力の強化によるコンテンツ市場の拡大等、より幅広い観点から議論を行い、関係者の共通認識の形成を模索していくべきではないか。

「3 コピー制御方式のエンフォースメントについて」、新方式は、携帯端末等による地上デジタル放送のフルセグ受信の実現に不可欠であるほか、現行 B-CAS 方式と並ぶエンフォースメント手段の選択肢を実現するものであり、現状を漸進的に改善する意味からも、その円滑な導入を図るべきではないか。

放送事業者等においては、新方式が受信可能となるエリアの人口カバー率を出来るだけ早期に向上させるとともに、国民視聴者への周知等も進めていくことが必要ではないか。

地上放送 RMP 管理センターにおいては、その業務の社会的重要性等に鑑み、効率的かつ透明性の高い業務運営に努めるとともに、同センター評議委員会等の外部有識者の意見を踏まえ、新方式の安全かつ公平な運用を図るべきではないか。

新方式については、当面、地上放送への適用が予定されているが、その適用範囲の拡大について、B-CAS 方式と比較した新方式の特性やその定着状況等も踏まえ、民間の関係者間においてその可能性を検討していくべきではないか。

また、B-CAS 方式を含めたエンフォースメントのあり方全般について、技術の進展、新方式や制度的補完措置の定着状況等を踏まえ、検証していくことが必要ではないか。

「4 フォローアップ」、コピー制御の方式、クリエーターに対する対価の還元、及びコピー制御方式のエンフォースメントについては、前述の通りであるが、技術革新やコンテンツ市場の利用・流通形態の変化も予想されることから、第一章で触れた「新たな検討の場」において、コピー制御に対する利用者の認識、動画視聴に係る技術・サービスの動向、コンテンツ不正流通の状況等についてフォローアップすることとしてはどうか。

以上でございます。

村井 純 主査: #

はい、どうもありがとうございました。今ご説明いただきました答申骨子の案ということでご説明いただきまして、御覧いただいているように、ご説明があった通りですけれども、全体は 2 章に分かれておりまして、流通・製作力の強化方策のあり方という答申に関したものを前半に持ってまいりまして 1 章、それから、デジタル放送におけるコンテンツ保護のあり方を後半にもってきまして 2 章というふうにしてまとめてございますので、本日の議論はこの章ごとにまず進めさせていただいて、後で全体、あるいは議論を残しているところを拾っていく、議論していただくということで、順番に行きたいと思います。

そういった意味で、全体の構成を踏まえつつスタートしていただきたいと思いますけれども、この色々な、中には現状と課題ということで取りまとめていただいた中には、色々な皆様にここで委員会で議論していただいたことを元に、ご報告されたことをベースに 2 節にまとめている、1 節は現状として、2 の方は提言ということで、これも叩き台として作っている訳ですけれども、その中で皆様の議論の内容をいわば解釈いたしましてこの叩き台を作ってある訳でございますので、そういう意味で、この部分を中心に議論をしていただくのがよいのではないかと思います。

抜けている視点等、こういうことを議論しただろうとか、こういうことが出てきたということをご指摘いただきたいかと思うのですが、もう一つは今見ていただいてお判りのように、大変長い時間をかけた答申となっておりますので、最初の時点と今の時点で状況が大変、変わっているようなところもあると思います。そうしたことを踏まえまして、現状ということを最初、頭に出して、その現時点でのということで、またしばらく経つとまた状況が変わると思いますが、そうした構成にしていただきましたので、それも踏まえてご議論いただければと思います。

如何でしょうか、この第 1 章の……はいどうぞ。

関 祥行 委員(フジテレビ):#

2 ページの所なのですが、現実は現実なのですけれど、丁度今日、日経の方にテレビ朝日の早河社長が掲載されていて、これまで広告費の減少というのは、放送局の収益を衰退するというのもある意味現状なのですけれど、これは後の書き方の問題なのですが、状況が変わってくる訳ではないのですが、あまりここを強調しないで書いていただければと思うのですけれど、福田さんどうでしょうか。

福田 俊男 委員(民放連):#

発表者からのご指名ですので。実態は実態として踏まえたほうが私は良いと思います。そういう意味で、本業における指標がどこにあるかというと、ある意味では広告費収益であることが一点。それから勿論、その他事業の収入を増やそうということで、二次利用をしようということがありますけれども、あくまでも元の本体をどこに考えるかというと、まず第一に広告費を考えるべきと考えます。

その上で、拡大再生産をするという表現もありますし、全体として放送コンテンツがやはり相当ウェイトの高いものであることを中心として、無料広告放送ができないと拡大再生産の源泉が失われていくような気がいたしますので、そういう意味では、対価の還元とあわせて広告費というのは非常に重要な位置づけでないかと思います。

村井 純 主査: #

はい。ありがとうございます。その他なにかございますでしょうか。はいどうぞ。

植井 理行 委員(TBS):#

提言の所の、9 ページの一番上の「・」でございますが、「また aRma 扱いの……」というところで、この中の「放送事業者と aRma の出演者情報の共有化」というのが課題として出されておられますが、これは一体何を意味するのだろうかということを伺いたいと思います。

現状、放送事業者にとっては、現在必要な二次使用の権利処理について、これはもうきっちりと aRma との間に情報共有ができているというふうに認識しておりますので、お伺いする次第でございます。

村井 純 主査: #

どうぞ、事務局より。

竹村 晃一 課長:#

これは権利処理を円滑化する取組ということで、これについては過去の出演者に対する改善は放送局によるということから課題である、課題としてあげているものでございます。

村井 純 主査: #

どうぞ。

椎名 和夫 委員(CPRA):#

これについてはですね、権利処理の円滑化、少しでも円滑に権利処理をするという総務省の実証実験等の中でも、それぞれが、権利者側・利用者側が保有するそれぞれの様々なデータをですね一部共有化していくことで、さらに処理が円滑化できるであろうということで、昨年度の実証実験の中で米国の調査をしたり、その中で、今後の課題としてやっぱりこの部分があるのであろうということで、実証実験のレポートに明記された内容でございますので、そういう風に理解すればよろしいかと思います。

それと関連して、5 ページの上の方に一般社団法人 映像コンテンツ権利機構とありますが、これは権利処理機構の間違いですので修正を。以上です。

村井 純 主査: #

はい。ありがとうございます。その他如何でしょうか。はい、どうぞ。

池田 朋之 委員(テレビ東京):#

今植井さんの仰った部分の一つ下の「・」ですが、9 ページでございますが、上から二番目の「・」です。「音楽に関する権利処理手続きの一元化」とございます。当然として、権利処理の一元化ということには大賛成でございます。放送番組をできるだけ早い時期において二次利用に供するということは今後どんどんどんどん必要になってくることとだと思っております。

ただし、音楽につきましては放送番組において使われる音楽の特殊性といいますか、放送では結構色々なレコード・音楽を自由に、ある程度使えます。それは法律のことであったり、JASRAC さんとの包括契約、そういったことがございますが、二次利用に関してはそれが中々そう簡単にいかないという現状がございます。

特にインタラクティブ配信と言われる配信系におきましては放送番組の権利処理についての一元処理というのが中々できていない。管理事業者の方々が複数いらっしゃる、JASRAC さんだけでないというところがございますので、特にネット配信に放送番組を流す場合の権利処理の一元化ということを是非とも早急に考えていただきたいというふうに考えております。

それから今お話のありました aRma に関しても二つのことが上がっておりますが、この実演家の一元処理ということで申し上げますと、aRma さんがかなりやっていただいているというふうな認識しておりますが、その裏には芸団協さん、芸団協・CPRA さんと、音事協さんがいらっしゃるということで、その二団体、特に委任ということで言いますと、その二団体さんがより幅広く、今後も続けていただく、広げていただくという努力を是非とも続けていただきたいと考えております。

その 8 ページ、一番下の「・」でございますが、この中において、権利料の徴収・分配を含めた権利処理工程全体の効率化とあります。この徴収・分配を含めた権利処理工程、つまり許諾申請から始まって、分配まで一つの流れの中で処理するというこの一元化ということは非常に重要なことだと考えておりますので、これも非常に大事なことだと思いますけれども、ここにおきましては、一方放送事業者もこれまでこの効率化の為に社内におきましてシステムを作っているという関係もございますので、放送事業者の中の処理とそのソルバーの処理というものがうまくシームレスに繋がるような協議を是非とも綿密にした上で進めていっていただきたいというふうに考えております。

それから今、植井さんが仰った出演者情報の共有化、椎名さんのご負担もございます、この部分については我々も今、二次利用においては色々と情報を出しているところでございますけれども、正直この部分は秘密情報とか、それとか個人情報とか、そういったものが含まれるケースもございますので取り扱いには十分留意した上での対応ということをひとつ考えていった方が良いかなと考えます。

いずれにせよクラウド等において、今後放送番組が色々な形で出て行くと、その度に権利処理ルールをどうするかということがございますので、そのようなものにできるだけ早く対応するためには、権利の一元化、それから窓口の一元化というものが非常に重要になってくる。今回の答申案というのはそういう意味で言うと、この方向性は正しいと私は考えます。

村井 純 主査: #

はい。ありがとうございます。佐藤さん手を上げたそうにしていましたが……。

佐藤 信彦 委員(フジテレビ):#

はい。ちょっと重複いたしますけれども、今の権利処理の早急に取り組むべき課題の 2 のところの「・」の 2 でございますが、特に許諾申請の一元化のみならず権利料の徴収・分配を含めた処理工程全体の効率化ということがとても重要であると認識しておりますけれども、やはり各社ともかなりシステム投資をして現状やっている状態がございますので、確かに業務フローとか業務負荷が倍になるようなことになってしまうと厳しいので、移行期というのも含めてシステム的な、動的な対応ができるように十分配慮していただければなと思います。

村井 純 主査: #

はい。ありがとうございます。その他なにかございますでしょうか。はいどうぞ。

福田 俊男 委員:#

海外展開についてですけれども、一つは色々なものに対する助成ということは非常に重要だと思いますけれども、その一方で海外においては外国の番組を放送の枠を留めるという規制が行われております。たとえば韓国・中国、あるいはヨーロッパもそうです。そういう意味では、非常に日本は自由な国でよその番組を受け入れていますけれども、それでも自主的に組んでいくとそんなに比率は高くならないのですね。

そういうことを含めていきますと、助成プラス、ある意味では省庁を超えた、外務省・経産省を含めた全体的に取り組むことが必要ではないかと思います。

それからもう一点は NHK の子会社がやってございます国際放送との関連をどうするかということで、こういう形で放送事業者を中心にしたもので海外展開を図り、収益を上げる一方で、日本をどう映し出すかという国際放送のあり方もトップの視点でもう一度考え直すべきではないかと考えています。

それからもう一つ、色々な形でオブザーバの皆様にご発言いただいて、色々な知識、知見等は吸収しておりますけれども、実はこの委員会そのものは地上デジタル放送を中心になっておりますので、それ以外のラジオの記述ですとかについては、もう少し最終的確認をした上でこの委員会に確認した上で答申にするというほうが良いのではないと思っております。

村井 純 主査:#

ありがとうございます。9 ページの 4. の所が、今の議論は国際展開みたいな議論をだいぶしていただいたのですけれども、3. が海賊版対策で、4. が今仰ったようなことについて上がっていると思っていて、まあ確かに議論は大分していただいた訳で、さっぱりというかアレかもしれないので、色々と議論をさせていただいたので、その他のことをもうちょっとご意見等あれば……その他如何でしょうか、よろしいでしょうか……どうぞ、浅野さん。

浅野 睦八 委員(IBM):#

9 ページの 「3. 」のところなのですけれどもね、海外展開にあたって二つのことを言っている訳ですね。ひとつは諸外国におけるコンテンツ規制と、それから海賊版対策と。この二つは大分違うものだと思っているのですね。

海賊版対策は勿論そういう対策としてここに書かれているようなことをやらなければいけないと思いますが、コンテンツ規制に関しては、常に、欧米間でも貿易、トレードかカルチャーかということで、あるいはそのカナダと米国の間でも、コンテンツ規制というのは自国民のアイデンティティを担保するためにということから米国の放送番組に対する規制を用意していると。

そこは長い歴史の中で、政府間において議論をしながらもなかなかそこの所についてはなかなか結論が出ていないというところがあるので、その問題とこの海賊版対策というのは次元が違うような気がしますので、そこは分けて書いた方が良いのではないかと私は思います。

村井 純 主査:#

その通りで、この種類の違う二つのアクションではないかと思います。今の二つの点、規制の件と知財の海賊版の件と、要するにマーケットを広げていくという三点が確かに議論されていると思いますのでそういったご指摘だと思います。どうもありがとうございます。その他如何でしょうか。

……それでは、次の章に移りまして、また、後で戻って参るということにして進めさせていただきたいと思いますので、第2章のデジタル放送のコンテンツの保護のあり方ということで、B-CAS、地上デジタル放送の利活用のあり方に向けての行政の果たすべき役割ということでの諮問の一部、デジタルコンテンツ流通等の促進という部分でございまして、具体的には B-CAS 、それからダビング10 、それから RMP ということを本委員会では議論していただきまして、それに関しましての今までの議論の提案があって、この 15 ページの 第2節 の所から提言の叩き台ということで、今までのご意見をまとめた、このコピー制御の方式それからクリエーターに対する対価の還元、コピー制御方式のエンフォースメント、フォローアップという形で提言にまとめてあるのが今の叩き台の内容でございますので、こちらの方の提言のことを中心に議論していただければ良いかと思いますが、こちらの方は如何でしょうか。

……はいどうぞ、椎名さん。

椎名 和夫 委員:#

この委員会でダビング10を議論して、対価の還元と利便性の向上という、その二つの、相反する部分のバランスをどう取るのかという議論があって、その中で、ダビング10というものがうまく定着しつつあるという理解でよろしいと思うのですが、一方で対価の還元が一向に果たされていないという現実がございます。

なおかつ、そこから広がってですね、前回話題に上りましたように、クラウド環境下における様々なコンテンツの使い方・楽しみ方というのが出てくる中で、もう少し大きな視野で対価の還元ということを考えていく場所として、この委員会は非常に適している場所ではないかと個人的に思っております。

補償金制度というものが現在ございますけれども、これに関して、その制度が想定していた範囲を遥かに超えてコンテンツが動き回ってという中で、如何なる対価の還元がありうるのかという根本的な議論をするために、補償金制度が想定しているステークホルダーだけではひょっとしたら足りないのではないかと。

そういう議論を今後続けていく場が、あって欲しいなということを強く思います。以上です。

村井 純 主査:#

ありがとうございます。個人的には仰る通りだと思いまして、構造的には、今ここの所は地上デジタル放送の、先ほどご指摘がありましたようにそういうことの中で今のコミットメントでお話されていて、この 10 ページの最後の「・」の所が、今、椎名さんが仰ったようなこの顔ぶれ、全体はこの委員会なので、この顔ぶれでやってきたことは重要だと思うので、ちゃんとその事も、今申し上げたような、新しいスマートテレビその他が出てきた時も、検討・議論する体系は新たに必要じゃないかと、全体としてはこういうストーリーになっているので、大体、今椎名さんが仰ったような方向ではないかと思っていますが、書き振りがちょっとどうであるかはもう検討していただきたいと思います。

そのほか如何でしょうか。……はい、じゃあ河村さん。

河村 真紀子 委員:#

15 ページの提言のところなのですが、一番下のところの「・」なのですが、この上の方で消費者・利用者側の意見も書いていただいているのですけれども、この最後の「・」の所の書き方は、「以上を踏まえれば現行の放送コンテンツのコピー制御方式について直ちに見直しに着手する必要性は乏しいものの」となっているのですが、もうこれは「しない」と言うのと同じような、こういう場合、このような書き方をしたらほとんど「しない」と書いているようなものなので、「現段階でのところである」みたいな感じでいいのですかね。

「必要性が乏しい」と言いますと、結局利用者から見ると、既成事実というか、今あるものは維持された上で、また尚且つ椎名さん達が仰っているような色々なことがかぶさってくるというふうに、今まで決めたことはそれでいいよねというふうになるとですね、利用者もやはり、消費者も先ほどの検討の場に入っていくのであれば、こうであればこうという色々なバランスがある訳で、そこをまったく見直さないままに、対価の還元ですか、プラスアルファされていくというのは納得できない。

そこと一緒に考えていく必要があって、そこの所は是非、妥当性を検証していってこれから考えられる色々な新しいルールとの関係性を見ていかなければいけないわけですから、そこはよく、行政でやることとか決めたことは一度決めたことは本当に後戻りしなくなる、不必要かと思われる、ほんのちょっと効果があるかもということに、多大な労力・お金をかけてブレーキがかからないで延々やり続けるという傾向がありますから、そこはやっぱり見直していくべきだと思うのですね。

新しいエンフォースメントの方式とかも進んでいるところなのですけれども、結局のところ消費者にしてみたら地上波だけの新しい方式ですから、お茶の間のテレビを買うときは両方の方式のあるものを買わなければいけないという変な形になっていますので、全体として、ダビング10 のやり方、エンフォースメントのやり方を含めて今後の権利者の方の仰ることと話あうべきかと思うので、「必要性は乏しいものの」という書き方をちょっと変えていただきたいと思います。

村井 純 主査:#

判りました。ありがとうございます。はい、どうぞ。

椎名 和夫 委員:#

先ほどの部分に関して、(村井)先生のお話、それに関してちょっと補足すると、別にこだわっている訳ではなくて、コンテンツの利便性とある種のその対価の還元のバランスについて話し合った会としては初めてのようなものだったと思うのですね。権利者の立場としては。

そうしたことを引き続き検討していく場が欲しいということと、やはりデジコンでのエッセンスをある種、きちんと継承した形でそのような場が続けられればよいなということ、そのことと。

それから今の河村さんのご発言でございますけれども「必要性が乏しいものの」という書き方が良いかどうかは別にして、デジコンの中でやはり四方一両損ということでもって、痛み分けですよねという話であったはずがですね、どうも補償金制度の話に関してはメーカさんも消費者さんも負担はしたくない支払いはしたくないというようなことで現在に至っているということから考えますと、必要性は乏しいかどうか判りませんが、そのなんらか、その河村さんが仰るような方向で、さらに緩和するというような見直しが行われるべきではないと思うし、そういう意味でここがそう書かれているのであればそれは正しいのではないかと思います。

村井 純 主査:#

これもやはり、両論併記のような形がやっぱり必要なのだと思うのですね。それで色々なご意見があって、それから今の四方という話も過去にして参りましたので、それで二つ、今一番下の話を着目されている「必要性」なのだけれどもその二つ上の所というのも、「録画機を持たない利用者も含めて社会的なコスト負担が発生している点は認識すべきでではないか」とか、そういったここの所の書き振りは大体両論併記の原則で書いていただいていると私は理解しておりますので、いずれにせよ、表現のことは河村さんがご指摘があったようなことも検討させていただくということで。

それからさらにその前の椎名さんからあった意見、四方といいますか、もっと多角的な視点の議論が入るということはとても大事で、そのことでその先のことを考えていくこと、それから新しい技術になって参りますので、またそこですぐ、そういった議論をさらにしていかなければいけない訳ですので、そういった議論が必要だということも含めてこの提言の中に含むべきだということで、全体ができているかと思いますので、またご意見をお寄せいただければと思います。その他に如何でしょうか。はい、どうぞ。

藤沢 秀一 委員(NHK):#

同じく 15 ページの下から 2 番目の「・」なのですが「各種の動画視聴サービスの普及、クラウド型サービスを含む新しいコンテンツ流通サービスの登場等に」と、これは現状認識として正しいと思うのですけれども、こういうサービスを放送コンテンツの二次利用というような形で受け止めると「放送の記録メディアへの録画に着目したコピー制御の重要性」というのはかえって増すのではないかと思うのですけれど、ここが低下するということの理論的な仕組みというかそういったものがあれば。

村井 純 主査:#

確かに技術的に仰る通りで、音楽配信の件を見ても音楽配信がやたらめったらネットワークからいきなり来ているというのが流行ったからと言って、録画に対する需要が減っているかというとそうでもないということが確かにあるので、仰る通りかもしれないと……。

記録メディアの、そういう機械が少なくなってきたというのは種類として少なくなってきたというのも事実かと……これはどうですか、この視点は。

竹村 晃一 課長:#

済みません。村井先生が仰った通りの、ユーザ実感としてですね、ストリーミングですとか対象を指定して視聴することが増えたので録画機器の出番は相対的には少なくなったのかなと、勿論、書き振りは見直してまいります。

村井 純 主査:#

はい。ご指摘ありがとうございました。他には如何でしょうか。はい高橋さんどうぞ。

高橋 伸子 委員(ジャーナリスト):#

同じく提言のところですが、下から三つ目の「・」のところ、私はこの辺を常に主張してきたように思うのですけれども、その書き振りが「録画機を持たない利用者も含めて社会的なコスト負担が発生している点は認識すべきでではないか」と、この表現に非常に不満でございまして、もう認識は当然のことでありまして、その認識に立って再検討をすべきではないかと、そういうふうにしていただきたいと思います。

村井 純 主査:#

はい。そういう議論だったということで、先ほどの河村さんのご指摘にも繋がるかなと、ありがとうございます。その他如何でしょうか。はいどうぞ。

河村 真紀子 委員:#

先ほどの藤沢委員の発言部分なのですが、仰っていることは判るのですが、多分こういうふうになったのは調査結果からも判るように、今横行している不正流通が、その、ここを制御することで全く防げていないということから来ていることであって、結局ここの所は、不都合を感じていないからこのままで良いじゃないかという「・」の書き振りなのですが、私に言わせれば不必要なことに物凄いコストをかけてやっていて、物凄い不正流通と、損害を与えているモノに対して何も効果を与えられていないのじゃないかと。

家の中で録画をして 100 枚作って売るということは、それはまた別の手段で捕まえれば良いことであって、視聴者が録画して(見るというのは)、タイムシフトを含めてですね、認められている訳なのですから。

で結局やって見たらそうでない手段でありとあらゆる不正が行われているということは判っているわけですから、ここの、そういう意味においては低下しているということでよろしいのではないかと思うのです。

いや、地上波の放送をコピーネバーで放送しますというのならば別ですけれども、そうでない限りにおいては、普通に常識的な範囲で消費者がやって、それで常識を外れる人たちというのは、私は何度も言いますけれども、ダビング10をかけていてもやたらやられている訳じゃないですか。

ですから、そういうところをきちんと効果的にやるべきであって、こういう全国民的に縛るのはどうなのかということを見直すべきだと、何度も申し上げているのです。

村井 純 主査:#

はい、ご指摘はずっと、河村さんのご指摘の内容なので、理解は私もふくめて理解をしているつもりです。事務局も理解をしていると思います。

一つだけ、例えばこれは「コピー制御の重要性は相対的に低下している」というのは、例えば河村さんの今のロジックで、コピー制御の例えば必要性は低下しているというような言い方をしたとすると、つまり普通の人にとってはその後で「なくてもいいじゃないか」と。

それでコピー制御はある程度 10 回になりました、緩和をされた、便利に、利便性のために緩和されたという時に、この間の議論の時に僕は申し上げようとして時間がなくて申し上げられなかったのですが、論理的に言うと、10 回やってほらみろ何もおこらなかったじゃないかということが、この 10 回の制御を持っていることに意味が無かったという証明にはやっぱりならないと思うのです。

つまりこれは制御があるということが、色々な意味での歯止めになっている訳で、なっているかどうかの証明というのはすごく難しいのです。普通の人たちがどういう振る舞いをしているのかということから、その上限が、制限がなかった時にどういう振る舞いをするかということの予想は立たないのです。

そういう制限を持っているので、コピーワンスからコピーネバー、そしてコピー 9 回という、この制限を持っていないところというのは、デジタル放送で私達経験をしていないので、これが無かった時にどうなるかということを予想するのは、大変、仕組みとしては、考え方としては難しいのです。

従って、そういう意味でコピーワンスから 3 回 × 3 に広げたという経験しか私たち持っていないものですから、従って、その時の表現としては「必要がない」という表現はなかなかし難いなと思っていまして、ここがそこに関してどのように表現を改めるべきかといことは検討するべきだと思うのですが、前回の議論のところで申し上げ損なったので、お話したかったのです。判りにくかったですか。

河村 真紀子 委員:#

仰っていることは、その通りだと思います。それが無かった時に全く何かが防げていないじゃないかと。20 枚溜めているのじゃないかとか、100 枚の人とか。でもそれは、100% の世帯に対してやる……

村井 純 主査:#

(河村委員の発言をさえぎりつつ)制限ができているということの認識を、そういう意識をするという啓蒙とかそういうことも含めてですね。

河村 真紀子 委員:#

でも、効果的かどうかは引き続き私は疑問ですし、コピーワンスからダビング10と皆さんは仰いますけれども、元々は制御がなかった訳ですからアナログ放送では。コピーワンスは、いきなり、いきなり何も制御もないところからコピーワンスになって、それがあまりにも過激だったので。

物凄く緩和と言われてていますが、元々何もなかったというのが一つと、その時に既にデジタル録画機もあったということが一つと、海外では地上放送でそういうことをされていないという例を見れば判るのではないかと。

もっと効果的な他のことをやるべきなのじゃないかということを申し上げています。村井主査の仰ることは良く判ります。

村井 純 主査:#

仰っていただいていることは、十分認識されていると思いますので、それをその表現すれば良いのではないかなと。その他何かございますでしょうか。はい、どうぞ。

長田 三紀 委員:#

あまりにも長い間議論していたのであれなのですけれども、一つの問題意識としては、B-CAS の方式の問題点というのが課題として上がっていたと思います。今回の新しい新方式というのと、何か B-CAS が並んでいて、今後比較して考えていきましょうということが 16 ページに書いてあるわけですけれども、そもそも非常に明らかになっていた B-CAS の問題点というのをきちんと書いておいていただかないとですね、なんだか両方とも良い方式のようにも読めるので、非常に、昔の議論の所が抜け落ちているのじゃないかなという印象です。

村井 純 主査:#

具体的には、16 ページですか?

長田 三紀 委員:#

16 ページに何箇所か出てくるのですけれども、例えば 3 の最初の「・」の所で「現行 B-CAS 方式と並ぶエンフォースメント手段の選択肢を実現するものであり」と書いてあるのですが、元々は B-CAS に一杯、色々な課題があって、それを克服するための暫定的な手段として、新しい新方式が取られたのではないかと考えております。

その割には、ここの表現は、なんだか B-CAS というものもあるけれど、フルセグの、携帯端末のフルセグ受信を実現するために入れられた方式というふうに読めてしまうので、それはどうなのかなと。

それから 4 つめのところに、やはりそこも「B-CAS 方式と比較した新方式の特性」とあるのですけれども、元々 B-CAS 自体の色々なコストの問題とか、一社、民間の会社が管理していることとか、色々な課題があったと思いますが、それを解決する一つの手段として入れられたものなので、元々いま現在、B-CAS が普通のテレビにまだ入っている状況というのを何とか解決しなければいけないという勢いがここでは感じられない。

一番下のところもそうですけれど、長い間議論してきた最初の問題意識が抜けているのじゃないかと思います。

村井 純 主査:#

はい。仰ることは、確かに議論されてきた、ご指摘もされてきたと思います。この 2 章の中でこれがきちんとそれが表現されると思います。その他いかがでしょうか。はいどうぞ。

椎名 和夫 委員:#

ちょっと戻っちゃうのですけれども。

村井 純 主査:#

はいどうぞ。戻ってもらって良いですよ。

椎名 和夫 委員:#

4 ページの始まりのところに「ラジオの IP サイマル配信については、SNS 等ネット機能と放送との連携による新たなサービス開発のほか、『肖像権』等を含めた権利処理のルール化」とあるのですが、ラジオで「肖像権」というのはどういう脈絡なのか、ラジオのことは門違いなので、教えていただければと。

竹村 晃一 課長:#

色々なアンケートなどとですね連動して、IP サイマル送信の時に色々な出演者の顔ですとかそういったもので、表現が判り難いところがあれば改めたいと。

椎名 和夫 委員:#

ラジオの IP サイマル送信と直接結びついた話ではないということですね。

竹村 晃一 課長:#

肖像権につきましては、確かにそれを踏まえて色々なビジネスを考えていく上で課題となることで、IP サイマル送信に直接関係するものではございません。

椎名 和夫 委員:#

肖像権という言い方をしますと、肖像権ということで法律上に何か与えられた権利では今の所ないはずで、パブリシティ権とか、商品に付随する何らかの肖像の権利みたいなものに関しては、この間、最高裁で判決が出たりということであろうかと思うのですね。肖像権の現時点での位置づけというのは。

肖像権等が処理の障害になっていると書かれてしまうと、法律的にも確立していない権利であったりするので、ちょっと書き方が微妙かなと思います。

村井 純 主査:#

これはラジオの放送コンテンツのネット配信の現状と課題という項目だから、音声のラジオの IP 再送信という IP 配信をするときに画像のようなものも同期して配信する件があって、スタジオの映像とか、そういうことなのですかね、ここのポイントは。

従って、その映像権とか画像権とか映像や画像にまつわる権利も、今までのラジオでは気にしなかったけれども、そういう問題も出てくるから気をつけようと、こういうコンテキストですか?

竹村 晃一 課長:#

これはプレゼンの中にですね、そういう、色々なプロモーションの手段と連携していくというお話がありましたので、そこの所です。

椎名 和夫 委員:#

だとすると、肖像権以前の問題として映像の処理をしなければいけないですよね。だから肖像権という特出しで書い

村井 純 主査:#

(椎名委員の発言をさえぎりつつ)新たなサービス開発に関わる、新たに考慮しなければいけない権利という意味ですね

椎名 和夫 委員:#

ええ。ちょっとそれが判らなかったので。

村井 純 主査:#

そのほうが判りやすいのかもしれませんね。根拠になっていた議論と、書き振りを調整していただければと思います。その他如何でしょうか、今のように、前の 1 章に戻っていただいても構いませんし、総合的に行きましょうか。

それで、後 2 回議論していただく予定になっていますので、今日のところは初めの頭出し的なところですので、また今後のひとつ議論を前提として後二回あってからということとしておきますので、こういうことを調べておけとか、確認しておけとかそういうことでも結構ですので。

はい、どうぞ。

浅野 睦八 委員:#

ちょっと私も戻るのですが、10 ページですね。二番目の「・」なのですが、新たな検討の場を設置してということなのですが、この 1 章には、一番最初の所でコンテンツにおける市場シェアとして、放送事業者というのは、約、日本の市場においては 7 割を占めているということなので、ここの関係者の中に放送事業者というのは入っているのですけれども、残りの 3 割はどうするのだという話もあるので、放送事業者じゃなくて、コンテンツに関しては残りの三割を占めている人も関係者だと思うので、その人たちも参加して、この新しい検討の場で今後検討を続けていけばいいのじゃないかと。

ちょっとそこを、放送事業者に限定する必要はないのじゃないかということを思います。しかも、デジタルコンテンツのこの委員会の委員会名簿を見ますと例えば映画関係者も入っています。

映画関係者の方から見ると、何で我々の所が除いてあるのだということになると困るかもしれないので、そういう形での記述をお願いします。

村井 純 主査:#

はい。ご指摘の通りだと思います。その他如何でしょうか。……よろしいでしょうか……はい、ではどうぞ。

河村 真紀子 委員:#

一番最後の 17 ページのフォローアップの所なのですけれども、これは第 2 章に関する最後の所ですよね。それで、第 1 章のところは最後に検討の場と明記されている訳ですけれども、ここに書かれているのは「コピー制御の方式、クリエーターに対する対価の還元、及びコピー制御方式のエンフォースメントについては、前述の通りであるが」という形で、通りであるから、つまり「通りである」というところに色々含まれていると思うのですが、色々な変化も予想されることから、その後なのですけれども、「『新たな検討の場』においてコピー制御に対する利用者の認識ですとか技術やサービスの動向とか状況等についてフォローアップすることとしてはどうか」とあるのですが、何かあまりやる気がないと言いますか、利用者の認識を調査しましょうとか動向を勉強しましょうとか、状況についてとかではなくて、やはりあり方を検討するということが必要だと思いますので、ここに書いてある、一番最初に書いてある、「コピー制御方式・クリエーターへの対価の還元」そうしたことを話し合うという、やはり新たに用意された検討の場において話し合うというふうに読めないと、利用者の認識について調査するだけに読めてしまうので。

村井 純 主査:#

はい。1 章の方はもうちょっと、議論の仕方であるとか参加者であるとか、そうしたことが記述してあると思いますので、それをリファーしてあるということを持って、そういうことだと思います。

仰るとおり、動向調査するだけで良いわけがないだろうと僕も思いますので、仰るとおりだと思います。

その他如何でしょうか。全体、それから構成、その他、さっき申し上げたように、これは骨子案ということで今日初めてご提示したという内容ですので、今後こう進めた方が良いという進め方を含めましてご意見を伺えればと思いますけれども如何でしょうか。

……(発言希望者現れず)それでは、今日のところはそういった形での議論をしていただいたということで、色々なご意見をいただきました。ありがとうございます。大変重要なことが指摘されていると思いますけれども、色々な、よく見てみるとというのもあると思いますし、後で、調整等々あると思いますので、追加のご意見・ご指摘を事務局の方にお寄せいただければと思います。

次回の会合では、今度は(案)というのを、次のバージョンを用意していただいて、素案を用意していただいて、それを元にまた議論をしていただくという、今日の議論、それからこの後寄せられたことを含めましての中文の変化ということになると思います。

事務局の方では、そういったプロセスで、本日、それからこの後からご指摘いただいたことを踏まえて、現在の骨子案というのを次回は骨子素案ということでバージョンアップする準備をしていただきたいと思います。

それから、色々な細かいデータと言いますか、現状等々がございますので、色々な事業者の方、専門家の方には色々なご協力をいただいて、そういった書き振りを正確にしていくという大変な作業が事務局側に待っているので、是非ご協力をお願いするということになると思いますけれども、ご協力をお願いしたいと思います。

それでは、事務局の方から如何でしょうか。

松本 和人 課長補佐:#

先ほど村井先生の方からご指示がありました通り、この骨子案についてご意見等がございましたら、5 月 14 日 (月) までに事務局へメールをお寄せいただければ幸いでございます。

また、検討の現状の日程等については、構成員の皆様に是非ご協力を仰ぐこともあろうかと存じますので、何卒ご協力のほどお願いいたします。

次回以降のスケジュールでございます。本委員会のスケジュールにつきましては、次回は 6 月 18 日 (月) の 13:30 から、次々回会合につきましては、7 月 5 日 (木) の 16:00 から開催する方針で調整しております。

議事につきましては、答申案の議論を中心にやっていきたいと思っております。詳細につきましては追ってご連絡をさせていただきたいと思いますが、構成員の皆様におかれましては予めご予定の……

済みません、6 月 18 日につきましては 14:30 からでございます。

皆様につきましてはご予定の確保をまたよろしくお願いします。

なお全体のスケジュールにつきましては、会議冒頭に村井主査からご発言いただいた通り、当委員会の親会にあたります、情報通信審議会の情報通信政策部会が 7 月 12 日 に後日予定されております。

その場で本委員会の答申案を親部会に報告いただき、さらにその後、7 月 25 日の情報通信審議会総会へ政策部会の方からご報告いただくと予定されております。

構成員の皆様におきましては、引き続き答申に向けてご協力をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。以上でございます。

村井 純 主査: #

はい。それでは以上を持ちまして、本日の会合を終了したいと思います。本日はどうもありがとうございました。