文化庁 文化審議会
著作権分科会 法制・基本問題小委員会 第1回
(2013年6月17日) [非公式議事録]


ここは、一傍聴者が傍聴の際に残していたメモ・記憶等を元にまとめた非公式議事録を掲載しているページです。正式な議事録は1〜2ヶ月後に文化庁サイト [URI] に上がるはずですので、そちらを参照してください。

政府主催の公開会議においての発言が無編集で伝わると困ると主張される方からの直接の連絡があれば、その旨記載の上で本ページの内容を削除します。その際連絡は kazhiro@marumo.ne.jp までお願いします。

当日配布された資料は以下の通りです。



最初の議題の主査選任部分は非公開のため傍聴できず。10:19 に傍聴者入場が許可され、そこから傍聴開始。

土肥 一史 主査(日本大学):#

それでは議事を進めたいと存じますが、本日は法制・基本問題小委員会の第1回目となりますので、河村 文化庁次長から一言ご挨拶を頂戴したいと存じます。なお、もしカメラ撮り等がございます場合は、この河村次長のご挨拶までとさせていただきますので、どうぞご了承をお願いします。それではお願いします。

河村 潤子 次長 (文化庁):#

あらためまして、皆様おはようございます。文化審議会 著作権分科会 法制・基本問題小委員会の開催にあたりまして、一言ご挨拶申し上げたいと存じます。

皆様には大変お忙しい中、この法制・基本問題小委員会の委員をお引き受けいただき、まことにありがとうございます。先週の金曜日、6月14日でありますけれども、閣議決定がいくつか行われております。

第一の閣議決定は、内閣としての目指す経済社会の姿とそれを実現するための政策の基本的な取り組み方針ということでございますけれども、題して「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる「骨太の方針」と言われてきたものでございます。

この中では目指すべき社会の姿として、強い日本、強い経済、ゆたかで安全・安心な生活ということを述べております。

国際競争力のある産業の発展を目指すと共に、国民一人一人にとって健康・長寿、あるいはITの活用とか、ゆたかな食、その中に文化・芸術・スポーツなど質の高い生活環境ということが書かれておりまして、芸術文化立国の実現ということも明記されております。

このような社会を目指していくために取るべき方策として、これまでも三本の矢というものが言われておりました。一つ目が大胆な金融政策。二つ目が機動的な財政政策。これらについては既に公表され、実施に移されつつあります。

三つ目に民間投資を喚起する成長戦略ということでございますけれども、これは日本再興戦略、「再び興る」この日本再興戦略として骨太の方針と同じく6月14日の金曜日に閣議決定をされております。

この中に知的財産戦略の推進、知的財産立国を目指すということが書かれている訳でございます。今年は知的財産基本法が施行されてから、ちょうど10年という節目の年にもなっております。

文化庁でも、文化審議会 著作権分科会における審議結果にもとづきまして、この10年間に、ほかの法律に伴う改正というのを除いても6度にもおよぶ著作権法の改正を行ってまいりました。最近改正のものもこの一月から全面施行ということになっております。

しかしながら昨今のデジタル化・ネットワーク化の進展やコンテンツ等をとりまく状況の変化は皆様が日々感じておられますように、大変著しく、今なお検討するべき課題が多いものと承知をしております。

先程6月14日の閣議決定を引用させていただきましたけれども、それに先立つ今月の7日には、政府の知的財産戦略本部において、今後10年間を見据えた長期ビジョンとしての「知的財産政策ビジョン」が策定されております。この中でも著作権法制度や関連施策について、様々な課題が示されております。

この委員会、皆様方に委員をお願いいたしましたこの委員会では、文化芸術の創造と享受、強い経済と国民一人一人の質の高い生活環境という複数の価値の追求について、迅速さとバランスを持って解決の方向を見出していただくという大変重要な使命を担っていただく場と存じます。

先生方には大変お忙しいと存じますけれども、ご尽力をお願い申しあげまして、私のご挨拶とさせていただきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。それでは次に今期、本小委員会の審議予定について検討したいと思いますので、本小委員会における検討課題例について、事務局から説明をお願いいたします。

菊地 史晃 課長補佐 (文化庁 著作権課):#

はい。それでは資料2、資料3-1、資料3-2この三つの資料にもとづきまして、本小委員会における検討課題例についてご説明をさせていただければと思います。

まずはお手元、資料の2をご覧いただければと思います。この資料2につきましては5月8日に開催されました著作権分科会において決定されました、小委員会の設置についてという資料でございます。

この5月8日の著作権分科会におきましては文化審議会 著作権分科会 運営規則 第3条 第1項にもとづきまして、出版関連小委員会、法制・基本問題小委員会、国際小委員会を著作権分科会に設置する旨が決定されております。

法制・基本問題小委員会における審議事項につきましては、「2」の「(2)」にありますように「著作権法制度の在り方及び著作権関連施策に係る基本的問題に関すること」を審議することが求められてございます。

このほか「4」にございますように、「小委員会における審議の結果は分科会の議を経た上で公表する」こととされております。

次に資料3-1をご覧ください。資料3-1では、先程ご紹介がありましたが、6月7日に知的財産戦略本部において取りまとめられました、知的財産政策ビジョンのうち、著作権に関連する課題として特に本小委員会に関連すると思われる課題を列挙させていただいております。

資料3-1に掲げた課題のうち、いくつかのものにつきましては資料3-2においてもう少し詳細にさせていただいておりますので、後ほど説明をさせていただきたいと思います。

まず資料3-1でございますが、知的財産政策ビジョンでは、「第3 デジタル・ネットワーク社会に対応した環境整備」として「1. コンテンツ産業を巡る生態系変化への対応」といたしまして「インターネットを活用したユーザが作りだす新たなコンテンツの創造と自由な利用の促進を図る観点から、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスといったパブリックライセンスの普及などについて検討を行い、コンテンツ利用の促進に必要な措置を講じる」こととされております。

次の○は括弧書きで参考扱いとしておりますが、内閣官房が担当とされておりますけれども、著作権にも関連する項目でありますので記載をさせていただいております。これは「公共データの広範な二次利用を促進する観点から、公的機関が保有する公共データに関して、利用促進のための統一的なルールなどの基盤整備について検討を行い、必要な措置を講じる」こととされてございます。

次に「3. コンテンツ産業の市場拡大に向けた環境醸成」についてでございます。まず、「(1) 新しい産業の創出環境の形成に向けた制度整備」といたしまして、「クラウドサービスやメディア変換サービスとの関係で著作権の権利制限規定の見直しやライセンシング体制の構築など」について検討が求められております。

また「(2)」では私的録音録画補償金制度の見直しなど、クリエーターへの適切な対価還元に向けた制度整備について検討が求められているところでございます。

2ページ目をお開きください。

「(3) 新しい産業の創出・拡大に向けたコンテンツの権利処理の円滑化」でございますが、一つ目の○では「放送番組などの二次利用促進」に向けた取り組みについて。二つ目の○では「孤児著作物」などに関連して「裁定制度の手続きの簡素化や迅速化」が求められているところでございます。

また三つめの○では「放送コンテンツのインターネット配信にかかる権利処理の円滑化」を図るための方策について、四つ目の○では「ライセンシの保護方策」について検討が求められているところでございます。

五つ目の○では「コンテンツにIDを付与し、権利処理にかかる情報を集約」するといったような「データベースの整備とコンテンツ利用に係る対価の徴収・分配システムの整備を促進する」ということが書かれてございます。

六つ目の○では著作権法等につきまして「各省においてセミナーの開催など普及啓発活動を強化する」ことが求められております。

3ページ目をご覧ください。「4.」の「(1)」では「文化資産のデジタル・アーカイブ化の促進」について検討が求められております。

「(2) 教育の情報化の推進」といたしましては、「デジタル教科書・教材の位置付け及びこれらに関連する教科書検定制度などの在り方と併せて著作権制度の課題を検討し、必要な措置を講じる」ということとされております。

続きまして、資料3-2にもとづきまして、今ご紹介をいたしました知的財産政策ビジョンの内容に関連して、もう少し詳細に説明をさせていただければと思います。資料3-2をご覧ください。

まず、「1.」といたしまして「新たな産業の創出や拡大を促進する全体的な法的環境の整備」ということで、特にクラウドサービスと著作権との関係を整理してございます。

「(1)」は省略をさせていただきます。「(2)」の「現状等」についての箇所をご覧ください。「①」といたしまして平成23年に文化庁が実施致しました依託調査研究について記載をさせていただいております。2ページ目をご覧ください。

まず中ほどの「クラウドサービスのイメージ図」をご覧いただければと思います。この図ではクラウドサービスの例といたしまして、右側になりますけれども、ユーザがクラウドサーバにアップロードしたり、今度は左側になりますが、そのユーザが所持するタブレットやスマートフォンなどの各種機器において、そのアップロードしたものを視聴したりダウンロードしたりすることを図としてあらわさせていただいております。

まずはこのようなサービスを念頭に置いてお話をお聞きいただければと思います。

このページの冒頭に戻りますが、文化庁が行いました調査研究におきましては、著作権等とクラウドサービスとの関係として検討された課題としてこの点線の枠で整理させていただいております。課題1から5までとしてならべさせていただいておりますが、まず、クラウドサービスと著作物の利用行為主体との関係について。それからクラウドサービスと私的使用目的との複製の関係について、30条1項との関係でございます。そして三つめ、クラウドサービスと著作権法上の公衆概念との関係について。四つ目、データセンター等でリスク分散等を目的として行われる複製について。そして最後の五つ目として、47条の3の適用範囲との関係についてでございます。

3ページ目をご覧ください。このような課題について検討の結果、いずれの課題についても従来から指摘されている課題であり、クラウドサービスがこうした課題を顕在化させるという側面があるとしても、クラウドサービス固有の問題ではないということが調査研究においては確認されてございます。

即ち、先程課題1から5として申し上げたことが、必ずしもクラウドサービス特有の問題ではないかもしれませんけれども、従来から指摘されている課題であるということも確認されたところでございます。

次に「②」ではクラウドサーバ内における一定の複製行為について、平成24年の著作権法改正で権利制限規定を創設しているということを記載させていただいております。また平成21年の改正についても記載させていただいております。

これらの詳細については説明を省略させていただきます。

そして「(3) 近時の動き」でございますけれども、まず知的財産戦略本部 コンテンツ強化専門調査会における議論でございますが、文化庁の委託調査研究の報告書が公表されてからも、複数の委員から著作権の懸念とともにクラウドサービスのための環境整備を求めるという発言がされております。

また脚注にもございますように、知財本部の委員のほかにも例えば電子情報技術産業協会 (JEITA) は昨年度の法制問題小委員会における間接侵害についての関係団体ヒアリング等におきまして、クラウドサービスと著作権についてのコメントをしておるところでございます。

4 ページ目をご覧ください。少し印刷が薄いかもしれませんが、このほか、産業競争力会議におきましても、この図にありますように会議の構成員から著作権侵害のリスクが企業を委縮させ、クラウドサービスの普及を妨げているといった旨の資料が出されているところでございます。

そして最後に「(4)」になりますが、これらを踏まえまして、「著作権等の権利の適切な保護を図りつつ、新たな産業の創出や拡大を促進させるために、著作権法とクラウドサービスとの関係について、今後どのように考えていくべきか」ということを検討事項として書かせていただいております。

5ページ目をお開きください。次は「2. クリエーターへの適切な対価還元に向けた制度整備」についてでございます。「(2)」の「現状等」についてでございますが、私的録音録画補償金制度の概要を書かせていただいております。詳細な説明は省略させていただきます。

6ページ目をお開きください。著作権法施行令で定めております、デジタル方式の録音・録画機器や記録媒体について一覧を載せて書かせていただいております。現在、上の冒頭にも書いておりますけれども「私的な録音・録画の際に利用されている機器の一部は規定の対象外となっている」のではないかということもあわせて記載させていただいております。

そして中程になりますけれども、この私的録音録画補償金制度の見直しにつきましてはこの文化審議会において平成18年に私的録音録画小委員会を設置し、検討が行われたところでございますが、最終的な合意形成には至らなかったところでございます。

その後平成21年12月には、私的録画補償金管理協会 (SARVH) がアナログチューナ非搭載のDVD録画機器からの補償金徴収を求めてメーカーとの間で訴訟となっておりましたが、平成23年12月、知財高裁はアナログチューナ非搭載DVD録画機器が政令指定機器に該当しないという旨判示をしまして、また平成24年11月に最高裁も上告を棄却したため、その内容が確定をしたところでございます。

点線の枠囲みの中には知財高裁の判決の概要も記載しておりますので、またお読みいただければと思います。

7ページ目をお開きください。ここでは近年の私的録音録画補償金の額の推移を記載させていただいております。グラフをご覧いただきますと判りますように、近年減少傾向にあるということが判ろうかと思います。

そして「(3) 近時の動き」でございますが、知的財産戦略本部における議論ですけれども、委員からは喫緊の課題として、補償金制度の内容の見直し、実効性の確保について議論するべき旨の発言があったところでございます。

8 ページ目をお開きください。「(4) 検討事項」というところになりますけれども、「クリエーターへの適切な対価が還元されるためには、私的録音録画補償金制度についてどのような制度の見直しを行うべきか。検討にあたっては現在の私的複製の状況をはじめ、現在のコンテンツの利用実態等も踏まえる必要があるのではないか」というふうに記載をさせていただいております。

9 ページ目をお開きください。「3.」では「裁定制度の在り方等の見直し」とさせていただいておりまして、ここでは裁定制度とアーカイブ、デジタルアーカイブについて記載をしております。

まず「(2)」の「現状等」についてでございますけれども、「①」は裁定制度について書かせていただいております。

ご案内の通り、著作権法では権利者不明の場合でも著作物を利用できる制度といたしまして、相当な努力を払っても権利者と連絡ができない場合は、文化庁長官の裁定を受けた上で、補償金を供託すれば利用することができるという制度が設けられております。

10ページ目をお開きください。この裁定制度については、平成21年の著作権法改正におきまして裁定制度の範囲を実演等にも拡大するとともに、裁定申請中であっても担保金を供託することにより、著作物等の利用を開始できるように措置をしたところでございます。

またさらに、実際の手続きにつきましては権利者捜索のための相当な努力について、判り易く「裁定の手引き」というものを文化庁で作っておりますけれども、これに記載するなどして利用者負担の軽減と利便性の向上を図ってきたところでございます。

この10ページ目の表にありますのは裁定制度の利用実績でございます。裁定の件数と対象著作物等の数に大きな開きがございますのは、裁定1申請あたり複数の著作物等を申請することができるということがあるからでございます。

11ページ目をご覧ください。一方で裁定に必要な権利者捜索のための「相当な努力」につきましては、その具体的な内容について点線の枠囲みに記載をさせていただいておりますけれども、枠のすぐ上に記載しておりますように、特に大量の著作物についての利用の場合や、非営利の利用などの場合において、金銭的な面と時間的な面の双方について手続きコストの負担が過大になるといった指摘がされているところでございます。

またこのほかにも補償金額の算定が困難な場合があるということであるとか、申請中利用制度ができてもなお利用可能になるまでの時間が長いといったような指摘もあるところでございます。

次に「②」のデジタルアーカイブについての現状でございます。デジタルアーカイブにつきましては、平成19年から2年間にわたって、過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会というところで検討がされております。

12ページ目をお開きください。この小委員会での検討の結果、平成21年の著作権法改正によって、国立国会図書館における図書館資料の電子化についての権利制限規定が設けられたところでございます。説明はまた詳細は省略させていただきます。

「(3) 近時の動き」でございますが、知的財産戦略本部における議論では委員の中から「裁定制度について抜本的に見直すべきである」旨の発言があり、「国会図書館でのアーカイブには多額の費用がかかっており、民間の小さなアーカイブには難しいことからEUの孤児著作物指令等も参考にしつつ検討するべき」旨の発言があったところでございます。

ここで、EUの孤児著作物指令につきましては13ページ以降で平成24年度に文化庁が委託調査研究、これの報告書から概要を記載させていただいておりますので、またお読みいただければと思います。

そして14ページ目に飛ばさせていただきますが、このほかにも民間における権利処理の円滑化等の取り組みにつきましては、この資料3-2の17ページ以降をご参照いただければと思います。

これらを踏まえまして、裁定制度をどのように見直し、手続きを簡素化・迅速化することが考えられるかといったようなことなどがこの検討事項となろうかと思います。

15ページ目をお開きください。「4.」は「著作物などの権利帰属を一元化したライセンシーの保護に関する論点」というふうに記載をさせていただいております。

「(2)」の「現状等」でございますが、ライセンシーの保護に関しては平成14年度以降、契約・流通小委員会や、法制問題小委員会の契約・利用ワーキングチームにおいて検討されてきたところでございます。

法制問題小委員会の平成19年度の中間まとめでは、ライセンス契約で設定された「許諾に係る著作物を利用できる権利」を登録することにより、ライセンシーがその権利を第三者に対抗できる制度というものが提案されております。

しかしながらこの提案に対しましては意見募集の結果、慎重な検討を希望する意見が多く寄せられたため、「今後、実務や学説の動向を考慮すると共に、本制度の参考とした特定通常実施権登録制度や通常実施権登録制度の運用状況を踏まえながら、多面的な」……ページをまたぎますけれども……「多面的な調査研究を進めることが適当である」という結論に至ったところでございます。

16ページ目をご覧ください。「(3) 近時の動き」でございますけれども、知的財産戦略本部における議論におきましては、日本経済団体連合会より、「現行著作権法制を基礎としつつ、著作物の利用目的に応じた二つの制度」これは「産業財産型コピライト制度」と「自由利用型コピライト制度」というものでございますが、これを「新たに創設することによる、複線型著作権制度の整備」について検討が求められているところでございます。

そして「(4) 検討事項」といたしましては、「権利帰属を一元化したライセンシーの保護の在り方について、どのように考えていくべきか」ということを記載させていただきました。

17ページ目をお開きください。今度は「5. 放送コンテンツの二次利用促進等」についてでございます。「(2)」の「現状等」についてでございますが、過去の文化庁の検討等では、この二段落目の方になりますけれども、権利者不明時における利用促進であるとか、権利者情報の整理等による二次利用に係る権利処理の円滑化等について提言がされているところでございます。

18 ページ目をお開きください。権利者不明時の利用促進については、先程もご説明しましたように、平成21年の著作権法改正によって裁定制度の対象に実演が加わったというところでございます。権利処理の円滑化につきましては、当初から二次利用を想定した利用契約を締結しておくことが有効であるとの観点から、日本経済団体連合会において、二次利用を含めた出演ガイドラインが取りまとめられている他、平成21年6月には、契約処理業務の統合を目的とした、映像コンテンツ権利処理機構 (aRma) が設立をされ、申請窓口の一元化が図られているところでございます。

19 ページ目をご覧ください。「(3) 近時の動き」でございますが、まずは脚注をご覧いただきたいのですが、先程次長よりご紹介のありました、6月14日に閣議決定をされました、日本再興戦略におきましてもコンテンツ等の海外展開の促進等について記載がされているところでございます。

また本文に戻りますけれども、総務省において、平成24年11月に「放送コンテンツの流通促進方策に関する検討会」が設けられ、平成25年6月に「放送コンテンツの権利処理の効率化・迅速化に向けて必要な取組等」が取りまとめられたところでございます。

その詳細は、中ほどに抜粋しております資料をご覧いただければと思います。また、その図の下に「【参考】」として記載をしておりますが、権利情報の集約・整備に関する民間における取り組みでございますけれども、著作権情報集中処理機構や日本複製権センターにおいて、権利情報管理のための取り組みが行われているところでございます。

また、「デジタル時代の著作権協議会」では「デジタルコンテンツ流通における情報管理、オンライン手続きを容易にするための共通ID体系であるCCD-IDを策定し、その活用を推進している」というところでございます。

「(4) 検討事項」と致しましては、「より円滑な権利処理に向けてどのような取組が考えられるのか」といったことを記載してございます。

最後に20ページをお開きください。「電子行政・オープンデータの推進」ということにつきましても整理をさせていただきました。

「(2)」の「現状等」についてでございますが、政府のIT戦略本部に置かれました「電子行政オープンデータ実務者会議」におきまして、国が著作権者である公開データ、たとえば各府省がホームページ等で公開しておる文書等の各種情報でありまして、脚注12で記載しておりますように、白書や防災・減災情報、地理空間情報等、こういった情報が想定されておりますけれども、これらの公開データの取り扱いについて、ガイドライン等を作成し、二次利用を制約する具体的・合理的な根拠等があるものを除きまして、二次利用を原則として認める方向で検討がされているところでございます。

点線のこの枠囲みの中では、「電子行政オープンデータ戦略」を書かせていただいております。21ページに行っていただいて、21ページの枠囲みの中では、この「電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ」というものを記載させていただいております。

また22ページ以降の枠囲みでは「二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)」というものの案を記載させていただいております。

この二次利用を促進するルールと著作権との関係につきましては、23ページ目をご覧いただきたいのですけれども、下線を引かせていただいております所ですが、「国が著作権者である著作物については、広く二次利用を認める形で、あらかじめ著作物の利用に係る考えを表示し、その表示についてはできるだけ分かりやすく統一的なものとする」というふうにガイドラインの中ではされているところでございます。

長くなりましたけれども、本小委員会における検討が考えられる課題例につきましての説明は以上でございます。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。それではただいま事務局から説明をいただきました今後検討が必要な課題例というものも含めて、今期の本小委員会での審議すべき事項について意見交換を行っていただければと思います。

それではどうぞ、ご意見等ございましたらお出しいただければと思います。

どうぞ、先程申し上げましたように、親委員会のメンバーの方々は同時にこの法制・基本問題小委員会の中に入っておいでになる方もおいでになる訳でございますので、是非……山本委員どうぞ。

山本 隆司(弁護士):#

これは質問なのですけれども、ここに記載されている検討事項と言うのはまさにやるべきことだとは思うのですが、具体的にどういうふうに進めるのか、検討の進め方ですね。ここでどういうふうに考えていくべきかとか課題は書いてあるのですが、それの考え方についての案というか、なんというか、答えのメニューみたいなものは、事務局の方で作成されて、この場で議論の俎上に乗せるというような進め方をお考えなのかどうか、その辺をお聞かせください。

土肥 一史 主査:#

じゃあ菊地さんどうぞ。

菊地 史晃 課長補佐:#

はい。今後の議論の進め方にも関係してくるところだと思いますけれども、本日ご紹介させていただきましたのは、知財政策ビジョンという非常に様々な課題が列挙されておるものでございまして、またその、それぞれの課題についても非常に難しい問題がいっぱいあるものだと我々は理解をしております。

今後議論を進める上では、まず全てを一緒に議論をしていくというのは難しかろうと思いますので、どのような課題をまず議論していくのかということを、本日の委員の皆様方のご意見もお伺いさせていただいた上で、また主査とご相談をさせていただいて、また資料を作らせていただきたいと思います。

ただ、どのような方法、どのような考え方、今後、解決策につながるようなものをお示しできるのかというのは、その課題によっても変わってくると思いますので、またその方向性につきましても主査と相談させていただきながら議論の資料を出させていただきたいと思います。

すみません。今日はまずはご意見を聞かせていただければと思います。

土肥 一史 主査:#

よろしゅうございますか。他に、もちろんご質問も含めて結構かと思いますが、ご意見を頂戴できればと思います。上野委員どうぞ。

上野 達弘 委員(早稲田大学):#

この小委員会が知的財産政策ビジョンで示された課題について検討するということになっているのですけれども、このビジョンには非常に多様かつ多数の課題が盛り込まれておりますので中々大変なのですけれども、この資料3-2を拝見いたしますと、そうした諸課題を適切に整理されたもので大変結構なことだというふうに考えております。

ただいずれの課題も重たい課題であることは間違いありませんで、今日は第一回ということでそうした個別の問題に立ち入るというよりは、今期の検討をどういうふうに進めていくのかということがどうもポイントとなるようですので、私などが申し上げるのは甚だ不遜なのですが、若干の意見を申し上げたいと思います。

まず3-2に上げられました諸課題、課題例の中でも、その課題例の1、クラウドサービスやメディア変換等の促進というのは特に重要でないかと思います。というのはこの課題は先程もご紹介がありましたように、平成23年の分科会報告書、これは主として権利制限の一般規定に関するものでありましたけれども、とりあげておられまして、関係者の要望も強いことから早期に検討する必要があると考えるとされていた訳でございます。

勿論その後、苗村先生を座長とする依託調査研究もおこなわれまして、この問題に関して、問題になる「30条」であるとか「公衆」であるとか「利用行為主体」について有益な検討が行われましたので、これは大変結構なことではあったかと思いますけれども、なお検討を進めるということにされていた訳であります。

30条につきましては一昨年の法制問題小委員会で取り上げられまして、私自身もメディア変換であるとか自炊代行であるとかいったようなことについて、30条の諸問題について問題提起をいたしまして、その後ヒアリングを行うなどして、論点の整理までは行われたところであります。

このようにクラウド問題、とりわけ30条問題につきましてはかねてから審議会における検討対象となっている訳ですけれども、必ずしも具体的な方向性を得るには至っていないのではないかと思います。

そのような中、先程もご紹介されましたように、知的財産戦略本部であるとか、あるいは産業競争力会議において、クラウドサービス推進の為に著作権法上の環境整備を具体的に進めるべきとする声がなお強いようであります。

その意味では、この問題について本当に対応する必要があるというのであれば、そろそろなんらかの具体的な方向性を示す時期に達しているのではないかというふうに私は思います。

勿論これまでも何も対応していないという訳ではありませんで、既存の制限規定もありますし、とりわけ昨年の改正により設けられました49条の9という規定はこうした問題に対しても一定の意義を持っていると私も思います。

ただ実際の所、この一・二年の間、私の知る限り諸外国にも新しい動きが見られますし、日本国内にも様々な新しいサービスのアイデアがあるのではないかと思います。

このようにクラウドサービスというものが将来の発展可能性のあるものだとすれば、これを促進するべく可能な範囲で事前の措置を講じておくということは、このビジョンにも書かれておりますけれども、我が国における新たな産業の創出および拡大を志向する者にとって重要ではないかというふうに思います。

その意味でこの課題例の1というのは、勿論さまざまなご意見があるということは承知しておりますけれども、どのような方向になるにせよ、早急な対応が求められていると言ってよいのではないかと思います。

勿論そこでは「クラウドサービスとしてどのようなものを想定するのか」とか、あるいは「どこまで具体的に想定できるのか」とか、「すべきなのか」とかといった点も問題になりうるところではございますけれども、昨今の状況がどうなっているのかと、まずは現状を踏まえた上で、これは関係者のお話をお聞きするということになるのかもしれませんけれども、より立ち入った対応が進められてしかるべきではないかというふうに思います。

ただしクラウドサービスに関して、例えば30条の見直しという形になるのであると、先程河村次長からもお話がありましたように、バランスという観点ということからしますと、そうした権利制限だけではなくてですね、あわせて権利保護であるとか権利者への対価還元という観点も同時に考えられてしかるべきであるように思います。

その意味ではこの課題例の内でもその2という「クリエイターへの適切な対価還元に向けた制度整備」というものを1とあわせて検討することが一つのアイデアにはなるのではないかと私は思います。

勿論、現在の補償金制度というのは一定の私的なデジタル録音・録画に限られたものでありまして、必ずしもクラウドサービスと直結するわけではないわけですけれども、いずれも30条の問題であることは間違いありませんし、私的複製をめぐる権利制限と補償金制度というのはまさに表裏の関係に立つと言えると思います。

勿論、この補償金制度を取り上げるということについては様々なご意見があると思います。実際の所、先程もご紹介がありました、私的録音・録画小委員会などずっと以前から盛んに議論されていながら、必ずしも十分な方向性を見出すことができていないで今日に至っているというのは、それが簡単な問題でないことを物語っていると思います。

ただ知財政策ビジョンなど、最近の議論を見ておりますと、私の印象かもしれませんけれども、補償金制度などの具体的な手段のあり方は兎も角といたしまして、クリエイターへの適切な対価還元というゴールについては一定のコンセンサスがあるのではないかというふうな印象を受けております。

勿論知財ビジョンにおいて、あえて「権利者」ではなく「クリエイター」という言葉が用いられていることにつきましては、ちなみに現状の補償金請求権者は自然人クリエイターでない著作権者や実演家やレコード製作者も含む訳ですけれども、ということは、そのクリエイターというはあえて自然人クリエイターを意識したものかどうかは判らない訳ですけれども、いずれにしましてもクリエイターへの適切な対価還元という目的については一致した上で、そのためにどのような手段が相応しいかということが焦点となっているように私には感じられます。

手段のあり方につきましては、最近諸外国、とりわけヨーロッパにおきましては、いわゆるレヴィーシステムをどうするのかということを巡って様々な議論がありますし、そこでは例えば税制の活用といった、場合によっては著作権法を超えるような手段も含めて新しいアイデアが見られるところであります。

勿論ヨーロッパをそのまま真似すれば良いというものではないのでしょうけれども、我々がどのような方向に向かうにせよ、あるいはどのような手段を用いるにせよ、我が国もそうした諸外国の状況を参照しつつ、かならずしも既存の制度にとらわれない柔軟な発想で補償金制度の再構築を検討し、そうした議論の中から、ひょっとしたら我が国に適合的な新しいアイデアが出てくるということも期待できるのでないかと、そんなふうに思っております。

勿論そうした検討はかなり細部に渡ることになると思いますので、従来よりも規模が拡大した小委員会という場が相応しいのか、何か工夫をする必要があるのかというのは判りませんけれども、この課題例2というのは課題例1と共に積極的に検討を進めるべき時期に達しているのではないかと、そんなふうに私は考えております。

その他、勿論、孤児著作物問題とか他のテーマも重要なのですけれども、この1と2というのはいずれも積年の課題でありながら具体的な結論が出ておらず、また30条という利用促進と権利保護というバランスの取れた表裏の関係にある規定にかかる問題であることから、今後の議事ではさしあたりこの二つをセットにして重点的に議論するということが、一つの選択肢になりうるのではないかというふうに私は考えております。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他にご意見はございますか。はい。じゃあ椎名委員どうぞ。

椎名 和夫 委員 (CPRA):#

私も分科会の席でも発言をしたのですが、今、上野先生から課題例の1と2は関連して議論がされるべきであるという意見に対して全く同感でございます。

とりわけ私的録音・録画補償金制度というのは、この7ページのグラフを見ていただくとですね、これはブルーが録音、茶色いのが録画ということでございますが、録音はピーク時のおそらく1/100程度にまで下がっている。なおかつ録画についても裁判の結果、極めてゼロに近いところまで行ってしまっているということで、やはりこの制度が機能していないということは誰の目にも明らかだと思います。

諸外国においてもこの制度は右にいったり左にいったりしておりまして、日本のように新たに政令で対象機器が指定されるということが行われなかった結果、裁判で政府が権利者に対して損害賠償命令をされるという事件がオランダで起きたりですね。

あるいは伝統的な補償金制度の対象になっていないスマートフォンやタブレットに対して、それに対してコンテンツにかかる税金を課すべきではないかという考えがフランスで紹介されたりと。

世界的に見て右にいったり左にいったりしていることは確かなことでございまして、やはり日本においてもこの十年来議論をしていると思いますけれども、それについて一定の結論を導くべき時にきているのではないかと思います。

そういう意味からクラウドサービスというものを眺めますと、上野先生の仰り方と逆になるのですが、ユーザの私的複製に代替するようなサービスも沢山用意されているということで、これらはやはり不可分に議論されるべき問題なのではないかと思います。

是非、この期でこの問題をすっきりと解決していただけたらなぁというふうに思います。

それとちょっと違う話なのですが、私は放送コンテンツの流通の円滑化ということに関連して、aRmaという放送番組の二次利用を促進するための団体に関与しております。

やはり、様々な乱暴な意見が数年前に出まして、「放送番組の利用促進をする為には一定の権利制限のようなものが必要なのではないか」と、そういうような意見が参りましたところで、「いやいや、民々での一定の努力できるのですよ」ということでこのaRmaということを始めてきているのですが、そこでやはり一番問題になってくるのは、現状のコンテンツというのが様々なマルチユースを前提に作られていないために、先ほどCCD-IDのことが出てきましたけれども、コンテンツのメタデータを生成するメカニズムがきちんとできていないのですね。

そうすると権利処理がそこの負荷を負ったまま進めなければならないというところがありまして、これをある程度国が後押しをして、コンテンツにかかるメタデータの整備ということをきちっとやるふうにしていくと、さらに権利処理を円滑化するということが考えられると思いますので、この点も是非ご議論いただければありがたいと思います。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他にご意見ございましたらお願いいたします。では。

久保田 裕 委員(ACCS):#

今のところにも関連するのですけれども、17ページの「取り組むべき施策」あの、四角括弧の中の三ポツめ、「コンテンツのグローバルな流通と適正な保護を促進するため」というここのところなのですけれども、我々は権利侵害対応も含め、また新しいライセンスビジネスをやるため等ですね、まず権利の帰属が明確で、誰が著作者なのかと。で、何時それが著作物として公表されたのかと。

こういったことが全てですね、このコンテンツIDの付与の所やタイムスタンプの技術を利用したり、そういった既存の色々な技術を組み合わせることによって、勿論データベースの整備というところもからむのですけれども、いずれにせよユーザーが作っていく二次的な創作も含めて、何時の時点で何処に情報が発信されたのか、そして誰が著作者なのかというところについては、どうしても技術的なものを取りこんで、そのかけ合わせの中で……無方式主義ですから、かけ合わせの中で裁判所に持っていったときに、その帰属が明確になりますと言うか、信憑性が担保されるというところでございますので、法律上の無方式主義の問題とは別にですね、そういった権利主張をし、なおかつライセンスの契約が成立するための根拠として、こういったシステムの整備、徴収・分配システムの整備となっておりますが、その前提としては、まあこれはオーファン、孤児著作物の問題でもあろうと思いますけれども、誰が、何時、何処で情報を発信したのかというところを何らかの形で具体的に検討し、さらにできればそういった環境を国の方が担保してくれると、それが間違いがなかろうと。

ここはその国の方と言うとあれなのですけれども、民間の中でのオンブズマンみたいな者なのが一応そういうものを保証することによって、例えば中国や近隣諸国で日本のコンテンツが侵害された時も、その情報が確かに日本のコンテンツであるよと、というところの橋渡しをですね、何らかの形で知恵を出せないかなと。こう思っております。

これについては悩ましいところなのですけれども、是非、何らかのアイデアが出てくるようなアプローチがされると幸いですし、私の立場で言いますと、デジタル時代の著作権協議会、CCDですが権利問題の委員会の方のずっと委員長をつとめながら、この問題についてはこつこつとアプローチをしておりますので、是非皆さんのお知恵をお借りたいと思っております。

また椎名さんの方ですが、CCDの方で、ビジネス著作権研究会の方の主査をされておられまして、同時にこれを議論していこうというお話になっておりますので、是非お知恵を貸していただきたいと思います。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。それでは梶原委員どうぞ。

梶原 均 委員(NHK):#

この「5.」のですね、取り組むべき施策の二つ目のポツの後半にかかる部分ですけれども、NHKで今、ラジオで「らじるらじる」ということでラジオの同時配信をやっています。

ところがですね、日本の著作権法上、伝送手段によって権利の関係が違ってくるということで、権利処理の円滑化という所でですね、かなり支障があるということでございます。

特に音楽の分野ですけれども、放送はAという権利者だったのが、ネットになるとですね、Bという権利者団体であったり、あるいは個人が管理しているということがございます。

見る・聞く人にとっては同じに放送番組なのに、権利処理がそれぞれ異なるということがございますし、商業レコードで言うと、放送の場合は報酬請求権、ネットだと許諾権ということになっていますので、なかなか日本において著作権法上、放送権・送信可能化権という別々の権利であるということもあって、権利処理の円滑化というところでかなり支障があるのではないかと、最近感じております。

諸外国を見るとラジオのウェブキャスティングなんかが盛んに行われておりますけれども、日本においてはですね、その辺の所が解決されないと、中々ですね円滑な権利処理という点からも同時配信というものが進んで行かないのではないかなと、懸念を持っているところでございます。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他にございますか、はい。道垣内委員お願いします。

道垣内 正人 委員(早稲田大学 / 弁護士):#

二つあります。ひとつは全体にかかることでございますけれども、ここに示されているような立法事実というか、立法を必要とする社会的なニーズがあるとすればですね、それは是非必要な措置を講じるということだと思います。

その場合に、時間軸が何も出ていないというのはどうなのかということでございます。

短期的に中期的に長期的に対応すべきものを区分して、しかしその長期的と言っても、今の順番で言うと、1年・2年・3年ぐらいでできればやらないと、この時代にはついていけないのではないかと。この分科会の役割としてもそれぐらいのスピードで、いくつかの問題については1年以内に何らかの案を示して、国会がどう対応するかはまた別の問題と思いますけれども、具体的な施策を提示するぐらいのスピード感が必要なのではないかと思います。

二つ目、今デジタルな世界において必要な課題についてのご指摘が多かった訳ですが、三番目の裁定制度についてあまり触れられていなかったので。これは言っておかないとこれは重要じゃないと後回しにされてしまったら問題でございますので。私は実は、使用料部会に関係しておりまして、そこでの作業を経験しましてですね、裁定制度についても特にそうですが、ここの10ページにあるような状況な訳です。

ただこれがですね、本当の社会での孤児著作物の利用の実態を反映しているかというと、いくつかの会社が、あるいは団体がですね、コンプライアンスの意識が高くて、このような手続きを面倒だけれども踏んでいると。そうでない人たちもきっと居るのではないかと。

そうだとすると、制度自体がアンフェアなことを産んでいるかもしれません。相当な努力は確かに必要だとは思いますけれども、ちょっと記憶は正確ではありませんが、明治の時代に出版された本でも、書いた人がどこにいるのか判らないと。それで何時死んだか判らない。最悪の場合、100何歳かでどこにも報道されていないけれども生存しているかもしれないので、そうするとスタートラインが判らなくて、この裁定制度を使わざるを得ないと。

非常に不合理な、慎重に考えれば慎重に考えるほどですね、これをあえて使わなければいけなくなってしまって。

そうすると、使い手の、保護期間とは別に相当な努力を低減するようなというか、そのレベルを下げても良い期間というのをもう一つ設けて、その、もっとこれを使ってもらって、ある期間を過ぎれば、公開からある一定の期間を過ぎれば、ある程度の努力をする必要はありますが、判らなければお金を払って使って良いと。

そのお金はもっと有効に使えるのではないかと思うのです。国に供託するのではなくてですね、著作権全体のために使えるようなお金として。であるからして、大きくする努力が必要と。

今の供託制度ですと、そこのお金を沢山集めようというインセンティブが何も、誰にもないような気がしますので、著作権界の関係者としてもですね、そういうファンドをうまく利用して、もっと著作権についての意識を高める、あるいは外国での著作権侵害に対して対策を取るとかですね、色々なやり方があると思うので、是非この「3.」の項目も早急な対応をいただければと思います。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。○○○○(聞き取れず──都筑教授?)挙手された……ええと、はい。じゃあ、今子委員どうぞ。

今子 さゆり 委員(Yahoo):#

今子でございます。今回、法制・基本問題小委員会となりまして、立法の専門家ではない私のような企業の人間もメンバーに加えていただきました。

現在、著作権を取り巻く課題が、大きなものから些細なものまでめまぐるしく現れてきていますし、そこに関わるプレイヤーも多種多様です。

そうしたことも当然で、インターネットを取り巻く技術の進展に伴い、次々と新しいプレイヤーが出現し、ドッグイヤーと言われる以前にも増して、サービスの展開のスピードが増しているという背景がございます。

資料では課題例1として新たな産業の創出や拡大を促進する全体的な法的環境の整備とありますが、このスピード感の中で立法により白黒はっきりつけて行くやり方というのが適さない場合もあるのではないかと思い始めています。

そもそも法律が出来上がるまでに何年もかかってしまって、法律ができあがった頃にはもはや環境が大きく変わってしまっているということも生じえますし、硬直的に白黒はっきり付けてしまうということによる弊害もひょっとしたらあるかもしれません。

著作権者の利益を守りながら、次々と発展していく技術による利便性を、世界に遅れることなく日本の利用者が享受できるようにするためには、ステークホルダー間の話し合いと解決のスピードを加速させていく必要があります。

そして規制のあり方も、民間、マルチステークホルダーによる話し合いによってシステムとして課題解決を行うというソフト・ロー的な規制についても検討されるべきではないかと考えております。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。それでは野原委員どうぞ。

野原 佐和子 委員(イプシ・マーケティング研究所):#

野原です。私は三点申し上げたいと思います。

まず一点目は、冒頭で次長にご挨拶いただきましたけれども、安倍内閣の三本の矢の一つの成長戦略というのは、言うまでもなく、新しい産業の創出や拡大を非常に重視していまして、そのことが今回のこの委員会にも沢山反映されていると思うのですけれども、その精神を考えると、やはり先程、1年・2年・3年という話がありましたけれども、ここに出て羅列されている数多くの検討課題を、いかにスピード感を持って一つ一つ結論を出して、実行に移していくかということが非常に重要だと思います。

なかなか難しい課題も見受けられますけれども、そうでもないのではないかと。実務的に色々な調整を図って……調整と言うか、例えば放送番組制作の時の二次利用の許諾の契約のあり方とか、権利処理のあり方などは、ここで議論をするというよりも、具体的にどうするかという部分をワーキング等で詰めていけばよいのではないかというような気もしますし、そうした進め方として、概念からじっくり検討しなくてはいけないものもあれば、実務的に具体的な内容を詰めて、実行に移していかなくてはいけないというものもありますので、全体としてスピード感がしっかり取れるように、どれをどう検討していくのかということを冒頭にしっかり決めることが重要ではないかというふうに思います。

それが一点目です。

あと二つ目なのですけれども、資料3-1それから3-2どちらも冒頭で、デジタルネットワーク社会に対応した環境整備ということを一番に上げている訳ですけれども、そのデジタルネットワーク社会というのは日々どんどん変化しておりまして、今の資料ですとクラウドとソーシャルというのがキーワードとして大きく取り上げられております。

クラウドサービスが示しているのは、3-2の資料でもお示しいただいたように実際に著作物あるいは情報を書き込んだりしている、アップロードしている人と物理的なサーバーを運営している人が別の人であるということが大きいと思いますし、それが今まで事業者サイドにあったサーバーが、クラウドのサーバーを運営・管理する事業者の所にあるというところで、新たな課題が出ているのだと思いますし、それからソーシャルサービスなどは言うまでもなくクリエイターが一般の人で、どこまでが著作物なのか、その著作の概念というのもずいぶん大きく変わってきていますし、引用するとかコピーをするという概念も利用者には希薄だと思いますし、公開、あるいはオープンにするというのも、誰に向かってどこまでということもあまり深く考えずに自由にやり取りをできることこそ、そのソーシャルサービスの本意かと思います。

そういった点で著作権との関わりということで、検討しなければいけないことが出ているということで、今、この二つが大きな問題・課題の基本というふうに認識されていると思うのですけれども、さらに加えて、今回オープンデータというのを最後につけていただいておりますが、今、デジタルネットワーク社会ということで言えば、ビッグデータというのもキーワードになっておりまして、ビッグデータの本質として書かれる課題としては、オープンデータの資料の、脚注にもあるような大量のデータがどんどん生成され、どんどん、色々な多方面に活用されるというような枠組みを作っていくということになりますし、解析の仕方もどんどんと新しくなっていく中で、それを一個一個追随しながら著作権的にチェックするとかですね、そういうことも向かないというような世界感になりつつある訳です。

ですのでで言いたいことは、デジタルネットワーク社会の変化は著しく速いのでそれをどうやって常にキャッチアップしながら対応していくかという柔軟な検討の姿勢、あるいは対策の仕方というのを常に持っていかなければいけないというふうに思うということです。

で三点目ですけれども、資料3-2の20ページ目以降に、電子行政オープンデータ推進の件が書かれていますが、私はここで取り上げられている電子行政オープンデータ戦略を設定した、「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」という長いタイトルになっていますが、「IT総合戦略本部」いわゆる「IT戦略本部」ですけれども、その本部員としてこの策定に関わっています。

その立場から言えば、これも今々、著作権をどうこうということはそんなには無いのかもしれませんけれども、重要なことはこの政策をスピード感を持って実現していくということですので、IT戦略本部とか内閣府の動きとうまくリンクを図っていただいて、適切に素早く対応していただくというような体制を是非お願いしたいというふうに思います。

以上3点です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他に……はい、畑委員どうぞ。

畑 陽一郎 委員(日本レコード協会):#

はい。畑でございます。私から意見を二点ほど申し上げさせていただきたいと思います。一点目につきましては、ここに資料3-2に掲げられております多くの課題例のうち、「2.」の「クリエイターへの適切な対価還元」というところについて検討を進めるべきではないかという意見でございます。

これにつきましては先程椎名委員等からも出ておりますけれども、この3-2で5ページ以降でまとめられている経緯の通りでございまして、平成18年度の私的録音録画小委員会ではまさに結論が出なかったと。

それ以降、録画についてはダビング10の導入あるいは訴訟等動きがあり、ここまで来ている訳ですけれども、とりわけ録音についてはこの18年度の小委員会以降なにも検討がされていないと。

その状況の中、この7ページの「(3) 近時の動き」にまとめられている通り、まさに、現にユーザに利用されている機器と対象機器の指定とにまったく乖離してしまっていると。

そのため額が、徴収額が激減しているという状況でございます。その部分につきましては制度の内容もしくは制度そのものが今、機能不全に陥っているということでございますので、ここにつきましては今年度の検討で方向性を是非見出したいと、ここについては検討をするべきではないかというふうに考えております。

もう一つにつきましては、どのテーマと言うよりは今後の全体的な検討の進め方に関する意見・お願いということでございますけれども、先程来、クラウドサービスなど皆様のご意見が出ているところでございますけれども、どういったところが課題で検討していくのかというところを最初の段階である程度明確にしていくということがやはり政府の検討ではやはり必要なのではないかなと思っております。

特にクラウドについては文化庁さまの検討報告書においてもある程度類型化をして検討をされたという経緯がありますけれども、そこからまたやはり、もう時代は動いているというところで、まさに許諾にもとづくビジネスとしてのサービスと、そこのビジネスにおける著作権制度上の扱いがまさにグレーであるというところとのせめぎ合いということになろうかと思いますので、どこの部分を検討するのか。

それについてはやはり、今々、ビジネスをやっていらっしゃる方からのヒアリングであったり、あるいは課題を感じていらっしゃる関係者からのヒアリングということも重要だと思いますし、また「5.」の「放送コンテンツの二次利用促進等」ということにつきましては、まさに今、集中管理で管理がされておる部分、海外展開についてはまさに今、総務省との場でこれから取り組みを進めようとしているところ、色々と放送コンテンツの二次利用の形態に応じて、既にできている部分、これからやろうとしている部分もありますので、どこについて支障があるのかということをまず明確化するヒアリング等を是非おこなっていただきたいと思います。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他に……華頂委員お願いします。

華頂 尚隆 委員(映画製作者連盟):#

冒頭の上野委員、それから椎名委員と全く意見は同感なのですけれども、その後の皆さんも仰るようにデジタル技術は日々、時間単位で革新しているというふうに思います。

今この時も、録画で言えば利便性の高い方法で高精細な映像が複製をされているという現状がきっとあると思います。このような状況を考えれば、現状で非常にシュリンクしているクリエイターへの適切な対価の還元に向けた制度、これの整備の検討、これはスピード感を持ってキックオフしなければいけないというふうに思っております。

そしてまたデジタル技術の革新ということを鑑みれば、クラウドサービス等、これを念頭に置いたですね、デジタルネットワーク社会に対応した環境の整備、これも同じくスピード感を持って検討しなければいけない非常に重要な課題だというふうに思います。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他に……山本委員お願いします。

山本 隆司 委員(弁護士):#

この資料3-2に挙げられている課題というのはいずれも検討するべき課題だとは思うのですが、検討の仕方として意見なのですが、最初のクラウドサービスについての問題とかというのは解決の方向性を出すためには専門家の知恵とかアイデアとかいうものが必要な問題だと思いますので、こういうものはワーキングチームで知恵を出して一定の解決方法を出してもらうと。それからこちらの小委員会で議論するとかというのが向いているのではないかなというふうに思います。

それから次のクリエイターへの適切な対価還元とかと言うのは、これも補償金の問題なのですけれども、これは解決の方法というのはどちらかというと「えいや」で利害の対立する人たちの、利害の調整の課題ですので、この場でやるのが良いのかどうか判りませんが、別にワーキングチームを作ってやるような問題ではないと思います。

それから裁定制度、これはですね、色々な方の知恵を出せば色々な方向性が出てくるのではないかと。例えば権利者が、先程道垣内委員のお話がありましたように色々な問題はあるのですが、例えば著作者が発行後何年かしたら、例えば判らない場合には死亡したという推定制度を設けるとか、色々なアイデアがあるのじゃないのかなと思うので、そうしたアイデアを元に方向性を出していくというような意味で、ワーキングチームを作ってですね、議論をするのに向いているのではないかなと思ったりします。

それから四番目のライセンシーの保護の方向、これもわりと「えいや」ではないのかなと。何故やらないのかなと思ったりするぐらいの問題ですので、答えは、方向性を出すのは全然難しい話ではないと思うのですが。

五番目の放送コンテンツ、これについては私は良く判らないのですが、現状の民間での取り組みであったり、その、政府での取り組みがあったりする、それを元にして、著作権法を改正したりして、どういうふうにサポートできるのかというのはアイデアが必要なのですけれども、中身がよく判らないので結論は判らないのですが、場合によってはその知恵を出すということが必要なのかもしれませんので、そういう場合はワーキングチームとかという形で議論をしていく、それを元にして小委員会で議論をするというのが適切なのかもしれないと、今のお話を聞いていて思いました。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。はい、どうぞ。龍村委員へ。

龍村 全 委員(弁護士):#

いくつかご提案いただいている中で、比較的とっつきやすいというか、つかみやすいということで言えば、二番の「クリエイターへの適切な対価還元に向けた制度整備」いわゆる私的録音録画の見直しなり、代替案の問題ですね。

それと裁定制度などもテクニカルに進めやすいテーマなのかなと。この二つは非常につかみやすいところではないかなと思いました。

特に前者のクリエイターへの還元問題ですけれども、これはもう椎名委員をはじめ皆さんご指摘の通り、今回の東芝事件でとどめを刺されたというか、もうほぼ絶滅したと言うに近い問題ですし、何よりも私的録音録画補償金という制度の仕組みがですね、現在、ご指摘のあったように、現在ユーザの利用している機器とまったく乖離しているという指摘もありますけれども、いままさに展開されようとしているクラウド型のビジネスとまったくそぐわないと言いますか、まったく時代遅れのものになってしまって、意味をなしていないというのは、ほぼ明らか、あまりにも明らかだと思うのですね。

かつて、例えば貸しレコードという新たなビジネスが生じたときに、「貸しレ」の問題が生じて法整備がなされた訳ですけれども、今、まさに起きようとしているのはそれに匹敵するか、あるいはそれ以上のインパクトのあるビジネスモデルの変化・移行が行われている訳で、やはりこれに対して著作権法制としてまったく対応しないということ自体、極めて異常な姿ではないかなという印象すら受ける問題だと思います。

従いまして、この私的録音録画補償金というのはつい最近まで検討したけれども結論が出なかったということではありますけれども、もう事態はまったく全然違っていると思うのですね。その当時からわずか数年で全く違っている、状況が違っていると。

ですので、この問題はかなりプライオリティが高いのではないかなという印象を受けます。それから、かなりこれは力技というか、思い切った提案なり、法的な、法技術を提示しないとなかなか整理できない問題だと思います。

それと貸しレコードの時に、貸しレコード業者さんというのが生じた訳ですけれども、いまやそのクラウドビジネスをやっている大きな事業者というのが存在していて、こういう方々が言わば貸しレコード業者に相当するような存在であって、こういう方々との利益調整を図る時に、法技術としてどういうやり方が一番良いのか。

例えば報酬請求権制度を新たに作るのかとかですね。相当ドラスティックなことを言わない限り打開できないのではないかと。

それから先程、タックスと言いますか、文化振興税的な、ヨーロッパでそういうものがあるという話も出ましたけれども、これもまた視野に入る問題ではないかと思います。

タックスという言い方が問題であるとすると、そういったいわゆる携帯電話サービス、そういったものを主催されているようなキャリアの方もおそらく関係者になってくると思うのですね。

そういった方々へ、潤沢な利益の中の一部をクリエイターという言わば新たな文化を生み出す担い手の方々に対する何らかの還元を図るというのは、十分、おそらく可能なことだと思いますし、後は法的整備の問題だけだと思うのですね。

従いましてこれは力技ですけれども、この審議会というか、こういった場で提案するのにふさわしい問題だろうという印象を受けます。

後は裁定問題については、この制度をよりブラッシュアップして使い勝手をよくするというのもこの委員会でやるのにまさに相応しい問題、この二つは非常に突出しているような印象を受けます。

後は放送コンテンツの二次利用の問題については、今総務省でまさに今般おこなっている訳ですけれども、その中で話題に上ってきたのは、従来、実演家の権利というものが問題だと、放送コンテンツの流通に阻害要因だというような話が当初あったのですけれども、次に出てきたのは原盤権の問題だというのがありまして、この原盤権の処理がむしろとっても厄介だということで、今まさに取り組んでいるわけですけれども、前者、実演家についてはaRmaですね、18ページにあるaRmaという組織を立ち上げて手当をしたと。

言ってみれば原盤についても原盤権におけるaRma相当のものが、あるいはあっても良いのかもしれません。これについては今まさに実証実験をこれから行う訳ですけれども、そうしたありようが、どれぐらいのものが相応しいのか、あるいは集中管理団体としての使い勝手の良さ、使い勝手というか、適切な存在の仕方が今の法制に合わない部分があるのであれば、集中管理に関する法制度もあるいは視野に入れるということもあるのかもしれません。

以上、いくつか、3点ほど指摘させていただきました。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。はい。椎名委員もう一度お願いします。

椎名 和夫 委員:#

山本先生の方から補償金制度については利害関係者での調整が主たる要素となるというお話があったと思うのですが、この文化庁の審議会での検討経緯もまったくそのままなのですね。

その利害関係者、象徴的にメーカーと権利者が居て、その人たちの対立が非常に先鋭化した結果、結論が出ませんでしたということでずっと来ている訳ですけれど、上野先生もご指摘になった通り、利害関係者がその二つの利害対立だけで良いのかどうか。

クラウドサービスも含めた時に、新たなステークホルダーが出てくるのじゃないですかというようなところで、どういうグランドデザインを描くのかというのは、これは非常に、なんというのですかね、パワーバランスで決めていくべきことではなくて、著作物の利便性と権利の保護というのを大体どういうところで落とし所で作っていくかということの議論だと思うので。

僕はちょっと、利害調整ということだけでは済まないと思うので、そういう観点はむしろもうちょっと深めていった方が良いのではないかと思います。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。末吉委員どうぞ。

末吉 亙 委員(弁護士):#

私も1番と2番が非常に重要な課題ではないかというか、急ぐ課題ではないかと思います。やり方については済みません、まだアイデアが無いのですが、一番最初に取り上げるべきではないかと思うのですけれども、いずれも難しいのは立法事実のすくい上げがすごく難しいのかなと。

一点目は以前も十分検討されていると思うのですけれども、今回また色々な声が上がっていると。その声を立法事実としてどのようにすくい上げられるかが重要であるし、二番目は色々な利害対立もあるでしょうし、新しいステークホルダーもあると思いますが、そうした方々から上手に立法事実をすくい上げて、良い制度設計をして立法に繋げるということにトライするのがこの会の課題ではないかと思います。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他に……はい。大須賀委員お願いします。

大須賀 滋 委員(東京地方裁判所):#

先程、道垣内委員の方から時間軸という話がひとつあって、それから今子委員からはどこまで立法でやるべきなのかというお話があり、さらに椎名委員の方からは権利の円滑処理という話があって、そういったことに関連して私の考えを申し上げたいのですが。

現行の著作権というは基本的に著作権者が著作物を手から離した後のコントロールができないという前提で色々な制度ができていると思うのですね。そのために複製権とか色々な支分権を作って、それをコントロールできないはずのものを権利でコントロール、支分権でコントロールするという建前になっていると思うのですけれども。

そのデジタル的な著作物の場合には、最初にですね、その著作権者、著作者あるいは著作権者が自らその後の情報をどう使用できるかということをコントロールできると思うのですね、最初の段階で。

ですからそういうデジタル著作物についてはかなり今までの著作権法とは違った考えができるのではないかと。

つまり著作権者が市場にリリースするときに、自由に使用条件を設定できると。そこで自由に設定した使用条件で自由に競争すると。

その発想で考えれば、著作権の使用範囲というのは果たしてどこまで考えればいいのかというのは、もう一回考え直すべき問題があるのではないかと。

そういうふうにシンプル化して考えれば、著作権法の立法のあり方ももう少しすっきり考えられるのではないかと考えておりますので、私としてはそういう方向での議論、つまり議論の整理をしてみるというのもひとつ考えられるのではないかなと考えております。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。ええと……浅石委員どうぞ。

浅石 道夫 委員(JASRAC):#

今のお話の中で、一番と二番のお話ですけれども、いわゆるこれはクラウドと補償金というのは似ているようで全く違うものだろうと私共は考えております。

まずクラウドについては法的なものを考えるというよりも、これはもう基本的に契約でいっちゃうのだと、できちゃうのだというのがJASRACとしては基本的に考えておりますし、今既にそういう話をしている訳でございますので、しかも三木谷さんが言っているように、「自分たちに来るな」というのが判っているような性質のものでございますので、こういった部分を法的な何かで処理をしようとなりますと、どんどんどんどん、その処理が遅れていってしまいますし、新たなサービスが出た段階で追い付かないということが非常に目に見えている。

ある意味、暫定的な許諾を出していって、その間で新たなものを検討していくというような、基本的には話し合いの中で、契約の中で決めて行く問題だろうと思っています。

補償金の問題はもう、完全に制度自体が壊れてしまった内容でございますので、一からどうやって考えて行くのかということでございまして、補償金とクラウドを何かセットにするという考え方については、何か基本的に違った考え方ではないかなと、というふうに、今の考えでございます。

以上でございます。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他にございますか。はい。椎名委員どうぞ。

椎名 和夫 委員:#

クラウドと一口に言っても色々なクラウドがある訳ですね。ネット上にコンテンツが用意されていることを持ってクラウドとおぼろげに言うのですが、今仰ったことは許諾の世界に持ち込めるものと許諾の世界に持ち込めないもの、トレーサビリティも含めてそういう差異があるものがあるでしょうと。

クラウドと補償金の世界は違うでしょうというご意見だったと思うのですが、そのクラウドと言われているものの中身を吟味してですね、その中でもそういう世界もあるし、そういう世界でないものもあるというような議論をまさにするべきなのだと思っていて、最初から一緒くたに議論をするという趣旨ではないと思います。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他にございますか……よろしゅうございますか……はい。じゃあもう一度。

龍村 全 委員:#

補足ですけれども。結局クラウドサービスについて、今例えば、これは親会でも若干申し上げたのですが、音楽で定額性聞き放題サービスというものが、今、欧米で主流になっていて、日本はまだ鎖国状態と言いますか、来ていない訳ですけれども、これが実際に日本に上陸した場合には、非常に大きなインパクトがあってですね、それこそクリエイターの利益は1/100、1/1000になって行くということがまさに起きようとしているところだと思うのですね。

そこでひとつは、この私的録音録画補償金の時代というのは、その……複製、コピーをするというか、機材にコピーをするというありようだった訳ですけれども、今やストリーミングサービスというのが主流になっていて、聞き流すだけなのですね。

ですので、複製権を中心にしたやり方というのはまったく合わないと言いますか、合致しない。サーバーのコピーでしか生じないことであって、そこのコンテンツの流れ方自体が変わっていますもので、そこをやはり、○○(聞き取れず - 申請?)を見る時に、基本的な根底においてものを考えなければいけないポイントだと思うのですね。

その点を追加させていただきます。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他には……はい、上野委員どうぞ。

上野 達弘 委員:#

先程浅石委員からも、1と2を関連させるということについてご意見があったと思います。確かにですね。現状の補償金制度というのはクラウドと基本的には関係のないものですし、これを併せて議論するということがどういうことになろうかということはあろうかと思います。

また、特に音楽のロッカーサービスなんかに関してライセンスを進めていくというような方向性があるということも確かだろうと思います。

これは今子委員も仰ったようにですね、ソフト・ローで解決するという道もあるということにも繋がろうかと思います。

しかしそれは、例えば非常に汎用的なロッカーサービスのようなもので、ストレージサービスをしているという、そういうものに対して全てライセンスで処理できるサービスだけに留まるのかどうか、それを超えるようなサービスが将来的に出てくるとしたら、それに対しては契約といったものだけでなく、法制度上の措置を講じるべきではないかということは、可能性としては十分あり得るのではないかと思います。

そういったことも受けて、このビジョンの中でも制限規定の見直しや、円滑なライセンシング体制の構築を図ると、両方挙げられている訳ですので、こうしたことを両方視野に含めながら検討していくということが重要ではないか。私はそのように考えております。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他にはございますか。はい、井上委員どうぞ。

井上 由里子 委員(一橋大学):#

先程野原委員の方から既にご意見があったかと思いますけれども、オープンデータ戦略に関して、一言申し上げたいと思います。

私も「電子行政オープンデータの推進」に関しては一部関わっておりまして、今般オープンデータ化を進めるために、著作権の問題も明確化していこうと、内閣官房の方で色々と議論している訳ですが、オープンデータに関しては資料3-2の20ページの脚注12にあるように、オープンデータの対象となるデータというのは多様でございまして、例えば白書、防災・減災情報、地理空間情報、人の移動に関する情報、予算・決算・調達情報などが重点分野として挙げられている訳でございますけれども、見ていただいて判るように著作権のあるものと、それから著作権のないデータに過ぎないもの。あるいはデータであっても、データベースとして著差権法上の保護を受ける可能性があるものも含まれている訳でございます。

また白書などを考えていただければ判りますように、第三書の権利もその中に混入しているというようなものもある訳でございます。

ですので、公共データのオープンデータ化を進めて行くにあたっては、やはり著作権の処理ですとか、著作権の関係の明確化ということをしていくことが避けて通れない道な訳でございます。

他方その利用状況・利用態様を考えてみますと、これも多様でございまして、野原委員の方からご紹介ありましたように、たとえば気象データのようなものをビッグデータとして活用していくということも考えられますし、それから地理空間情報のように重ね合わせによるマッシュアップでの利用ということが考えられる場合がありまして、様々な利用があり得るということに尽きる訳でございまして、これは著作権法との関係で考えてみますと、これは今までの著作権法の考え方を淡々と解釈で結論を出していけばよいというふうなことにもなる訳で、特に目新しい問題があるという訳ではないのですが、現実にオープンデータ戦略を進めて行こうとしますと、はたしてこれは著作権法上大丈夫なのだろうかというような問題が色々と出てきている訳でございます。

現在のところはクリエイティブコモンズのようなパブリックライセンスを活用して、円滑な利用を推進していこうというような議論が進んでいる訳で、必ずしもこの文化審議会の著作権分科会の小委員会で議論をしていただく必要はないのかもしれません。

そういう意味で、参考ということで今回資料につけていただいたのだと思うのですけれども、考えてみますと、今回検討する可能性のある課題例として挙げられている「3. 裁定制度」ですとか「4. 権利一元化」ですとか「5. 放送に関する問題」も含めて、既存の著作物の二次利用をうまく促進していくような仕組みを考えなければいけないと。

それが立法なのか、それともそれ以外の方策によるのか判らないけれども、そういうことを考えていこうということだと思う訳です。

そうしますとオープンデータの問題も、既存の著作物あるいは著作物かもしれないものの二次利用を出来る限り円滑化していこうということですから、関連はあるということであろうと思います。

参考資料の3に、今回の著作権分科会の小委員会の構成がございますけれども、出版関連それから国際小委員会では扱い得ない問題だろうと思いますので、オープンデータ、これはアメリカ・ヨーロッパをはじめとする先進諸国ではここ数年で非常に進んでいる分野でございますので、アメリカあるいはヨーロッパに後れを取らないためにはできる限りスピード感を持った対応が必要とされておりますので、必要に応じてこの小委員会でも適宜取り上げていただきたいと思っております。

以上でございます。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。他にございますか……はい、松田委員どうぞ。あのマイクをお願いします。

松田 政行 委員(弁護士):#

いくつもある中で、最初のクラウドの問題だけ。お聞きしたいところがあるのです。

この議論をしている時に、2 ページの図を見ていただきたいのですが、この図はそもそも従前からの議論で時々出てきた図でございまして、ここにアップロードをする「①」の女性の図が描かれておりますが、この図は当たり前のことではありますが、この女性がクラウドサーバーを利用して、他の機器に自分で使う場合の図である訳です。

だからタブレットもスマートフォンもテレビも、この「①」の女性が使う場合の図なのであります。これはもう委員は皆様方、承知の上だと思いますが。

しかしここで今議論が出てきたのはクラウドサーバーを介して音楽等をストリーミングで配信して使い放題というサービスが海外で起こりつつあって、日本ではそれがいささか遅れているのではないかということでありまして、そしてJASRACの方では既に、こういう問題については契約ベースで解決するべきことであるというような発言が既にありました。

これはクラウドサーバーを運営する企業と、送信サービスを行うところと、権利者・権利者団体が協議をして、そしてルールを確立していけば良い訳で、まさに誰かが言っておりました、ソフト・ローで確立していくということの一つの表れなのだろうと思います。

しかしこの二つのサービスは全く違うものでありまして、一つはまさに契約ベースで私はやるべきだろうと思いますが、この契約ベースはおそらく団体間協議みたいなことで行われることだろうと思っています。

そういう協議や、個々の利用者が契約を結ぶ場合のルールを作る時の問題はまさに著作権契約法の問題であろうかと思っております。そこに論点があると思っていますが、現行の著作権法の改正として、このサービスを、ストリーミング配信を促進するようなクラウドサービスを著作権法上の個々の規定の検討として行うべき立法事実はないというふうに私は思います。

もし立法事実があるのであれば、どうしてそれが著作権法上の制限規定等を設けなければいけないということをご指摘願いたいと思います。

次に、この図のまさに最初の意味でありますけれども、この図の最初の意味は典型的なサービスの一つでありますが、クラウド・クラウドと言いましても、実は個人のデータをストレージするサービスに関する著作権法上の問題です。

これについて議論をすれば、もうほとんど答えは判っている訳でありまして、このサービスはできれば促進した方が良いと皆が思っている訳でありまして──あの、今までの議論の中ではですよ──ありまして、もし障害があるとすれば、30条1項1号の自動複製機器に該当するかどうかだけを検討すればよいのではないか。

ないしはこのサービスが承認されるのであれば、このサービスについては著作権法上適法だという、ストレージサービスの適法性ということを、場合によっては制限規定の中に入れたってよいと私は考えています。

それで解決できると思っています。それ以外のクラウドサービスについては、先程の例も含めまして、立法事実を出していただいて議論をさせていただけないかなというふうに思います。

いつもこの図だけで議論をしているというのは、もうちょっと、次のサービス・次の社会というか、それを議論するというのにはいささか足りないように思っております。

どうぞよろしくお願いします。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございます。それでは山本委員。あの時間の関係がございますので、山本委員を最後にさせていただければと思います。

山本 隆司 委員:#

クラウドサービス、今、松田委員からご指摘がありましたこの図がクラウドサービスの全てではないというところがまず問題の出発点だと思います。

まさに立法事実の話なのですが、ここで重大な問題は「②」で「ユーザが所持する機器に著作物を送信」とありますが、クラウドサービスで利用される著作物の利用の仕方というのは、必ずしも送信はしません。

サーバーにアップして、それをユーザが利用する場合に、色々なタイプがあるのですけれども、例えばワードプロセッサーで文書を作るという時にですね、ワープロソフトはこのサーバにありますが、ユーザのところにはダウンロードされません。

そこでですね、このサーバーの中で文書を作って、自分が作った文書をダウンロードすることはあっても、ワープロソフトをダウンロードすることはありません。せいぜいインターフェースだけです。

それからゲームソフトもそうです。今はサーバー上に置いてあって、ゲームをやってですね、その個々の映像データであるとかですね、個々のものはダウンロードされることはあっても、ゲーム自体がダウンロードされるということはないです。

というふうに、他にも色々あるのです。会計ソフトもそうですし、それから判例のデータベースみたいなデータベースもそうなのですが、検索結果がダウンロードされるだけで、このアップしたデータベースの著作物自体がダウンロードされる訳ではありません。ということで、著作物がダウンロードされることを送信したこの図が全てではありません。

今申し上げましたように、サーバーにアップしながら単にそれを利用するだけでダウンロードをしなというのは現行の著作権法上の中で把握しきれません。

そこが、新たな問題としてクラウドサービスにどういうふうに対処するのかを著作権法上考えなければならない問題だと。まさにそこに問題があると私は思っています。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。すみません私ちょっと確認できていなかったのですが、伊坂委員、挙手されておられたようで、どうも大変失礼しました。

伊坂 聡 委員(映画監督協会):#

すみません短く。今回から初めて参加させていただきます。皆さんの意見を伺っておりまして、済みませんが青臭いことだけを言わせていただければ。

本当に2番のクリエイターへの適切な対価の還元という、これは私たちが一番大事にしなければいけないところだと思っています。

1番から5番までの課題というのも、全てはそこに僕は還元されていくものではないかと思っております。

いわゆる作り手がいなければ著作物も生まれない訳ですし、現状の色々な状況を聞いていますと、特に音楽の状況などを伺っておりますと、結局安い配信とかそういうので、結局新人を育てられなくなってきて、どんどん新人がデビューすることがなくなっていく、それで音楽業界が縮まっていっているということも伺っております。

ですので色々な法制度、それからスピードアップしていかなければいけないこともあると思いますけれど、その原点にはクリエイターというか、著作者を殺さない方向で、それで事業者もユーザーも皆がWin-Winになれるようなそういう観点で、しかし原点にあるのはやっぱり著作者がいなければ著作物が生まれないのだということをいつも考えていただければありがたいなと思います。

以上です。

土肥 一史 主査:#

ありがとうございました。本小委員会、熱心なご意見を沢山いただきまして、本当にありがたく思っております。おそらくまだご意見があるのではないかなとも思うのですけれども、時間が来ておりますので、本日のところはですね、このぐらいにしたいと思っています。

先程からメモを取りましたけれども、本日はですね、クラウドサービスと著作権の関係、そのクラウドサービスについても極めてサービスの内容が多様化しておりまして、私共が新たに付いていけないようなところのご紹介の一端もあった訳でございます。

あるいは私的録音録画補償金制度の見直し、さらにはクリエイターへの適切な対価の還元、こうした制度の整備について連動してあるいは別途に議論をしてほしいというようなご意見。あるいは裁定制度のあり方の見直し、根本的な見直しというように伺いましたけれども、そういうご意見。あるいはコンテンツの二次利用その他における権利処理のあり方に関するご意見。公共データ・オープンデータの利活用について著作権法が考えるべきこと。

そういった様々なご意見を幅広くいただいたところでございます。これはいずれもですね、これらの課題は非常に重要な課題であると私としては認識をしたところでございます。

中でもクラウドサービスについてはこれまでの本小委あるいは外部的な資源の活用なり、そういった継続性の問題もございますし、さらにはクリエイターへの適切な対価還元ということについては必要性があるという声が少なくなかったと感じてもおるところでございます。

次回以降、本小委員会における議論の進め方ということでございますけれども、こうしたことを含めて今後議論をして行きたいと思いますので、各委員からご意見がございましたけれども、まずはクラウドサービスについての実態、あるいは関係者が抱えておいでになる問題意識、そういったことを踏まえ、権利の適切な保護を図っていくということが大事なのではないかと感じているところでございます。

次回以降の進め方については本日皆様からいただきましたご意見を踏まえて、事務局とも相談の上決めさせていただきたいというふうに思っております。

いずれにしても、本日各委員の非常に熱心なご意見を伺っておりますと、十分時間をかけてというよりも、まったなしであるということがひしひしと感じられた訳でございますので、事務局ともよくその辺りの意識を共有した上で、今後この本小委において成果を上げていきたいと思っております。

まだまだご意見があろうかと思いますが、本日はこれぐらいにしておきたいと思っております。事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。

菊地 史晃 課長補佐:#

はい。本日はありがとうございました。次回の法制・基本問題小委員会につきましては改めて日程の調整をさせていただきまして、確定し次第ご連絡させていただければと思っております。

以上でございます。

土肥 一史 主査:#

それでは本日はこれで第一回の法制・基本問題小委員会を終わらせていただきます。本日は熱心なご意見まことにありがとうございました。