文化庁 文化審議会
著作権分科会 第 36 回
(2012年 3月 29日) [非公式議事録]


ここは、一傍聴者が傍聴の際に残していたメモ・記憶等を元にまとめた非公式議事録を掲載しているページです。正式な議事録は1〜2ヶ月後に文化庁サイト [URI] に上がるはずですので、そちらを参照してください。

政府主催の公開会議においての発言が無編集で伝わると困ると主張される方からの直接の連絡があれば、その旨記載の上で本ページの内容を削除します。その際連絡は kazhiro@marumo.ne.jp までお願いします。

当日配布された資料は以下の通りです。


永山 祐二 課長(文化庁 著作権課):#

それでは定刻になりましたので、只今から文化審議会 著作権分科会、今期第一回目の会議を開催いたしたいと思います。本日はご多忙の中、ご出席いただきましてありがとうございます。私は著作権課長をしております、永山でございます。

本日は、今期、第一回目の会議ということで、後ほど分科会長を選任していただくこととなりますが、それまでの間は私の方で進行させていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたしします。

まず最初に今期の委員の紹介をさせていただきます。配布資料の 1 に、文化審議会 著作権審議会委員名簿がございます。そちらの方を御覧いただきまして、名前の方だけご紹介させていただきたいと思います。

まず……

(ここで、議案 1 の分科会長選任は非公開ということで傍聴者は会議室の外に)

(分科会長選任が終了して、会議室に復帰。前期と替わらず、土肥分科会長・中山副分科会長の模様)

土肥 一史 分科会長 (日本大学) :#

それでは、本日は今期最初の著作権分科会となりますので、近藤文化庁長官から一言ご挨拶をいただきたいと思っております。よろしくお願いします。

近藤 誠一 長官(文化庁):#

あらためまして、文化庁長官、近藤でございます。文化審議会、著作権分科会の第12期、通しでは第36回ということでございますが、この開会にあたって一言ご挨拶を申し上げます。

まずは、委員の先生方におかれましては、公私共に大変ご多忙の中、委員を引き続き、あるいは今回新たにお引き受けをいただけまして、誠にありがとうございます。

前期の分科会におきましては、著作権法 第30条の私的使用を巡る複製、あるいは間接侵害等多くの案件を検討していただいております。これらの問題は、毎日のようにデジタルネットワーク技術が進歩する中で、大変複雑な利害関係が絡んでおりまして、中々解決が難しい問題でございます。またこれ以降も、今後も新しい問題が発生するかもしれません。逆に技術の発展が新しい解決をもたらすかもしれません。

そういう中々不透明な中で、権利者の権利を保護しながら、しかし著作物の普及を図っていく、その微妙なバランスを取っていくにはどういう対策を取るか、どういう政策がよいかということにつきまして、先生方の知恵やアドバイスを引き続きいただく必要があろうかと思います。是非とも、よろしくお願いします。

それから先ほど事務局よりご紹介させていただきましたが、昨年の一月にこの分科会で取りまとめていただきました報告書を元に、著作権法の一部を改正する法律というのが 3 月 9 日に閣議決定をし、国会に提出をされております。

まだ、この時点ではっきりとした見通しは立っておりませんけれども、今国会での成立に向けて、文化庁としても全力をあげて参りたいとおもいますので、先生方のご支援を引き続きお願いしたいと思います。

今年は主要国のリーダーの選挙があり、またユーロ危機は一応静まりつつあるようではありますが、引き続き世界経済の情勢は予断を許しません。新興国もやや陰りが見えているという報告もございます。政治経済の行き先が非常に不透明な中で、技術、著作権、デジタル関係の技術は引き続きどんどん進歩していくと思います。

そういう中であって、先ほど申し上げました、権利者の権利の保護と著作物の普及、そのバランスをとっていくかということは非常に難しい。それをつくづく痛感する次第でございます。

どうか引き続き、先生方の知恵やアドバイスをお願いさせていただいて、簡単ではございますけれども、私のご挨拶とさせていただきます。どうも、ありがとうございました。

土肥 一史 分科会長(日本大学) :#

ありがとうございました。次に、文化審議会 著作権分科会 運営規則 第3条 第1項の規定に基づきまして、小委員会の設置につき、決定したいと存じます。今期の小委員会の設置案につきまして、事務局から説明をお願いします。

壹貫田 剛史 課長補佐(文化庁 著作権課):#

はい。それでは資料 2 に基づきまして、小委員会の設置につきまして説明させていただきます。資料 2 におきましては「案」としまして、1 にもございます通り、文化審議会 著作権分科会 運営規則の 第3条 第1項、こちらに基づきまして、法制問題小委員会と国際小委員会を当分科会に設置する旨を記載させていただいております。

各委員会における審議事項につきましては次の 2 以降を御覧いただければと思います。

法制問題小委員会では著作権法制度の在り方に関することを審議事項として記載させていただいております。次の (2) の国際小委員会でございますが、「国際的ルール作りへの参画の在り方に関すること」と記載させていただいておりますが、ちょっとこれはこの場を借りて訂正させていただきたいと思います。お手数ですが、資料の 3 を御覧いただければと思います。

こちらの 2 ポツの、国際小委員会についての次の四角の審議事項のところですけれども、ここに書いてございます、「国際的ルール作りおよび国境を越えた海賊行為への対応の在り方に関すること」こちらが国際小委員会の審議事項ということになりますので、こちらの記載をこの資料 2 の (2) の、国際小委員会の部分に差し替えをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

次に各小委員会の構成員についてでございますが、著作権分科会 運営規則の 第3条 第2項に基づきまして、分科会長が指名する委員・臨時委員および専門委員により構成されることとなってございます。

最後にその他といたしまして、各小委員会における審議の結果につきましては、分科会の議を経た上で公表することなどを記載してございます。資料 2 に基づく説明につきましては以上でございます。

土肥 一史 分科会長:#

ありがとうございました。それでは小委員会の設置に関する説明につきまして、ご質問・ご意見ございましたらお願いをいたします。

(特に発言希望者が現れず)よろしゅうございますか?

はい。それでは、小委員会の設置につきましては今のご説明があった通りと決定させていただきます。

なおですね、使用料会と小委員会に分属をお願いする委員につきましては、文化審議会で第6条 の 第2項、および 文化審議会 著作権分科会 運営規則 第3条 第2項の規定により、分科会長が指名することとされております。

従いまして、私から指名をさせていただくことになりますけれども、各小委員会への委員の分属につきましては、後日、皆様にお知らせをさせていただきたいと思います。

次に、今期の著作権分科会において検討をするべき課題について、意見の交換を行いたいと思います。各小委員会の意見検討について、事務局から説明をお願いします。

壹貫田 剛史 課長補佐:#

はい。それでは資料の 3、こちらに基づきまして説明をいたします。資料 3 の 1 ポツでは法制問題小委員会における検討課題例が掲げられてございます。具体的には著作権法制度の在り方に関することを審議する法制問題小委員会では、前期の法制小委で課題の整理がなされました、著作権法 第30条 の 私的使用の為の複製にかかる課題、あるいは前期において間接侵害等に関する考え方の整理、こちらが司法救済ワーキングチームによって取りまとめられましたので、こちらを受けまして今後さらなる検討が求められてございます、いわゆる間接侵害にかかる課題といったものが掲げられてございます。

また、国際的ルール作りおよび国境を超えた海賊行為への対応の在り方に関することを審議事項としてございます国際小委員会では、著作権保護に向けた国際的な対応の在り方、インターネットによる国境を越えた海賊行為への対応の在り方、知財と開発問題、フォークロア問題への対応の在り方といったものが掲げられてございます。

以上 2 つの小委員会における検討課題例をお示ししてございますが、資料の冒頭にもございます通り、今後の状況の変化等に応じまして、検討体制等につきましては適宜見直すことも考えられるところでございます。

短いですが、資料 3 については以上でございます。

土肥 一史 分科会長:#

ありがとうございました。それでは只今の事務局の説明に対するご質問も含めまして、意見の交換を行っていただければと思います。それではご意見等ございましたら、どうぞご自由にお願いいたします。

はい、どうぞ。河村委員。

河村 真紀子 委員(主婦連):#

済みません。第一回で言うべきことではないのかもしれませんけれども、私は消費者団体を代表して来ております。委員の顔ぶれを見させていただきますと、純粋に利用者あるいは消費者の立場であるものは私一人でございまして、殆どが権利者の方、学者の方、事業者の方となっております。

小委員会についても、法制問題と国際小委二つということで、以前でしたら私的録音・録画小委員会ですとか、基本問題小委員会ですとか、私が、利用者側の委員も居ましたし、数は圧倒的に少なかったですけれども、意見を言う機会がそれなりに用意されていたというふうに考えております。

利用者、見るとか、読むとかということも含めて、利用者があっての文化だと思いますので。それに利用者というものが居なければ著作権法という法律も必要ないと私は思いますから、とても大事な立場の一つだと思うわけなのですけれども、ここにたった一人で居りますと、いつも利用者・消費者というのは専ら侵害する人という枠組みで語られているという感じがいたします。

侵害する人だけで成り立っているわけではないのです。サイレントマジョリティも、善良な市民というものがほとんどでございますから、そういう立場も含めて利用する人の声を聞くのはとても大切のことだと思います。

新しい製作の形、新しい機器、その使い方に関して、新しいアイデアやこういう要望があるのだと、正当な意見として言う機会があって良いのではないかと。そういう利用者の視点が重要なのではないかと思いますし、例えば、地上波のテレビという話になれば、利用の視点というだけではなくて、公共性という観点からも見ていかなければいけませんから、専ら権利者の方のということになって行くのはどうかなと思います。

ですから是非とも、委員の顔ぶれは変わらないのでしょうけれども、色々な運営の中でですね、私だけじゃなくて、様々な立場の利用者・消費者の側の声を汲み取るということを心がけていただけたらと思います。

以上です。

土肥 一史 分科会長:#

ありがとうございます。申し上げるのを忘れておりましたけれども、分科会全般の事柄についての意見を頂戴する時間もこの後設けておりますので、また、その時にいただければと思います。

この小委員会においてどういう事柄を検討するかというこの一点について、特にこの時間でご意見を頂戴できればと思いますが、如何でしょうか。

はい。お願いします。副王子委員どうぞ。

福王子 一彦 委員(美術家連盟):#

美術家連盟の副王子と申します。この中に保護期間の問題であるとかですね、戦時加算撤廃の問題、あるいは追求権、リセールライトについて事柄を審議していただきたいと思います。

国際標準というものがあると思いますが、それと比べて日本の著作権つきまして、保護期間、50年となっておりますが、ほとんどの国が 70 年ということになっておりますし、戦時加算については、前にも申し上げておりますけれども、CISAC では保護期間を 70 年にすれば戦時加算を撤廃するということを言っている訳で、それについては政府機関にも要望書が提出されていると思います。

そういった中で、国際標準について考えていただくような審議を法制問題小委員会の中でしていただける、していただけないかということを申し上げたいと思いますが、如何でしょうか。

土肥 一史 分科会長:#

ご意見は勿論頂戴する訳ですが、このペーパーの中でもその他の課題というところ、それから、今後の状況の変化等に応じてという説明ございました通り、そういう存続期間の問題というものはどこかのタイミングで議論していかざるを得なくなるのであろうと思います。

それが何時なのかということは、前回の分科会でも委員の間で議論が、ご異見があった訳でございますので、そうしたものを踏まえて適宜、事務局と相談をして決めていければと思っております。

なにかありますか?

永山 祐二 課長:#

分科会長から今、ご説明があった通りなのですが、保護期間については 21年 1月の当分科会の報告書におきましても、引き続きの検討事項という形で整理をされております。

当然我々としても、重要な課題の一つという認識をしておりまして、当然これから時期を得て、様々な国際的な状況を踏まえて検討していくことになると思っております。

ただ時期、また先ほど河村委員からございましたように、仮に具体的な検討を本格的にスタートする際に、法制問題小委でやるのか、それとも構成メンバー等を少し変えたような新しい委員会、これは 21 年報告の際には「過去の利用」の特別な小委員会を作って検討した経緯がございますので、そこら辺も含めまして、分科会長ともご相談の上、検討していきたいと思っております。

土肥 一史 分科会長:#

他にございますか?

(発言希望者現れず)

検討課題、この二つの小委員会における検討課題はこういうことで当面検討を始めるということでよろしいですね。はい。それでは当面そのように検討いただきたいと思っております。

それから、先ほど申し上げましたように、各小委員会への委員の分属については、後日お知らせをいたしますけれども、各小委員会におきましては、本日の各委員からのご意見も踏まえて検討を行っていただきたいと、そのように引き継ぎをしたいと思っております。

それから著作権分科会全般の事項というものが出てございますが、これについて何か、丁度良い機会でございますので本日ご意見がございましたら、ご発言いただきたいと思います。

どうぞ、ご自由に全般的なことを踏まえてご発言いただければと思います。

(発言希望者現れず)

特によろしゅうございますか? はい。それでは本日予定しておりました審議事項はこれで以上でございます。他に特段ございませんようでしたら本日はこのぐらいにしたいと思いますけれども、事務局から連絡事項がございましたらお願いします。

壹貫田 剛史 課長補佐:#

はい。本日はありがとうございました。次回の文化審議会 著作権分科会につきましては、各小委員会における検討状況を踏まえつつ、改めて日程の調整をさせていただきたいと思っております。

土肥 一史 分科会長:#

ありがとうございました。それでは、以上をもちまして文化審議会 著作権分科会 第36会を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。